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大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

石巻市議会承認で1月大川小検証委開催へ
遺族が批判する「人選」への“文科省の言い訳”

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第18回】 2012年12月28日
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東日本大震災の津波で、多くの児童が犠牲になった石巻市大川小学校。12月21日、この惨事を検証する「第三者検証委員会」の設置を石巻市議会が承認した。市教委は、文部科学省が示した設置案に関し、「(遺族から)概ね異論のない状態」などと説明したが、実際には「人選」などに対して遺族から異論や疑問が噴出、国や教育委員会への不信は強まる一方だ。

 調べていくと、知られていなかった事実が次々に明らかになっていく石巻市立大川小学校の惨事。最近は、別のテーマで全国どこに出かけて行っても、「大川小の話を聞きたい」という教育関係者や親御さんが多く、その関心の高さには改めて驚かされる。

 それだけ大川小の検証の行方は、全国から注目されているのだろう。

 12月21日、石巻市議会は、大川小学校の惨事を検証する「第三者検証委員会」の枠組み、委託先機関、委員・作業チーム員の人選、検証スケジュール等に対し、11月25日の第2回円卓会議(文科省主導による文科省、宮城県教委、石巻市教委、ご遺族の4者会議)の場で、文科省が提示した案について異論がないかどうか確認を行ったところ、委員1名の人選を除いて「概ね異論のない状態となった」などという説明を市教委から受けた。

 また、文科省では、円卓会議欠席者への資料の郵送、すべての遺族への円卓会議議事録の郵送、文科省案に対するアンケート(14世帯より回答)の結果、委員1名の参画を見送ることとし、「(遺族の)一部に異論はあるものの、大方のご理解はいただけたものと判断したものと聞いている」と市教委が報告。これを受けて、同市議会は、今年度一般会計補正予算などの議案を可決し、「大川小学校遺族との合意を得てから執行すること」との付帯決議により凍結されていた検証委員会設置の予算が、執行されることになった。

 早ければ2013年1月にも、第1回検証委員会が開かれる見通しだ。

市議の追及にもズレた回答をする
教育長と総務部長

 検証委員会の問題は、12月18日の本会議の一般質問でも取り上げられた。

 質問に立ったのは、森山行輝市議。

 「なぜ、ご遺族の共通理解を得られないまま、検証委員会に入ることになったのか?」

 これに対し、境直彦教育長の答弁は、相変わらず質問の趣旨とズレている。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。この世界でも例を見ない「惨事」について、震災から1年経った今、これまで伏せられてきた“真実”がついに解き明かされようとしている。この連載では、大川小学校の“真実”を明らかにするとともに、子どもの命を守るためにあるべき安心・安全な学校の管理体制を考える。

「大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~」

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