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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

フィリップスカーブで考える「2%物価目標」
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第87回】 2013年1月9日
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金融政策:
追加緩和よりも物価の扱いに関心

 金融政策に関わる市場の焦点は、物価の位置付けに向かっている。日銀が今月21~22日の決定会合で、中長期的な物価の安定について検討する、としているからだ。

 現時点で日銀は「中長期的な物価安定の目途」(英語ではgoal)を「2%以下のプラス、当面は1%」としている。しかし、自民党は「2%の物価目標(target)の導入」を政権公約で明示している。こうした中、日銀は何らかの物価目標を導入するだろうとの見方が定着している。

CPI:
実績を欠く安定的な2%上昇

 他国は金融政策において物価をどう位置づけているだろうか。FRBは「目途」(goal)としているが、これは日銀と同じ。ECBは物価安定を定義(definition)している。イングランド銀行は目標(target)(図表1参照)。図表1には含めていないが、物価目標を導入している主要国としては、他にニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ノルウェー、スウェーデンなどがある。

 内容を見ると、FRB、ECB、BoEは明確に「2%」という数値を示している。日銀も「2%以下のプラス」としているが「当面1%」という「ただし書き」が付いている。この点に、日銀の物価の取り扱いに異質性を見出すことができる。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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