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田中秀征 政権ウォッチ

アベノミクスは何を目指すか?
直ちに必要な「経済再生5ヵ年計画」

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第165回】 2013年1月10日
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 ①公共事業、②金融緩和、③成長戦略の「3本の矢」を掲げてデフレ脱却に挑む安倍晋三首相の経済政策。このアベノミクスは内外から歓迎され、年明け以来、一段と勢いづいている。

 株高、円安の流れは、安倍政権への支持を発足当初の「民主党政権よりまし」という消極的支持から、「新政権に期待する他ない」という積極的支持に変えつつあるようにも見える。

 発足直後の内閣支持率はおおむね50%台。鳩山、菅、野田と続いた民主党内閣はいずれも70%前後であったから、それと比べてかなり低い支持率であった。

 私は今後3、4年間を、日本の将来にとって「運命的な時期」と言ってきた。この重大な時期を安倍政権が担当するのであれば、この政権をより良いものにする以外に選択肢はなくなったように思われる。要するに、安倍首相に期待できるところを積極的に支援し、間違っているところや不安なところを軌道修正していくことだ。

第二次安倍政権が
再び失敗しないために重要なこと

 本欄でも指摘したように、6年前の第一次安倍政権が失敗したのは、課題の間口を広げ過ぎたことが一因であった。

 この点については、麻生太郎副総理の助言もあって、少なくとも参院選までは経済再生一本に絞って全力で取り組む意向のようである。

 だが、報道によると、安倍首相はまたもや、教育改革、集団的自衛権、安保政策、あるいは歴史認識に関する首相談話を検討するための有権者会議を次々と立ち上げるらしい。

 しかし、これらのテーマは世論の分裂を深め、与党内にも亀裂を生みかねない。何よりも経済再生の至上課題への取り組みを中途半端にする恐れがある。

 首相は前回に学んで期するところがあるのだろう。「結果を出す」(首相)ことに強くこだわっている。そうであれば、1つひとつ総力を挙げて確実に片付けていくことが望ましい。

 そうでなくても、震災復興、領土問題、そして統治構造の改革など手を休めることのできない重要案件があるから尚更である。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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