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大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

国会で大川小の検証を迫った唯一の議員の警鐘
事態はなぜ何も変わらないままなのか

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第19回】 2013年1月23日
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東日本大震災の津波で、多くの児童が犠牲になった石巻市大川小学校。2012年12月、ようやくこの惨事を検証する「第三者検証委員会」が設置され、2月7日には第1回大川小学校事故検証委員会が開かれることとなった。この大川小の問題を国会の場で唯一取り上げてきたのが、富田茂之衆議院議員だ。しかし、富田議員が2011年7月に訴えてから1年6ヵ月――。その当時から何も進まない現状に、いま改めて警鐘を鳴らす。

ただ一人、国会で大川小問題を訴えた
富田茂之衆議院議員の思い

国会で大川小の惨事の検証を迫った富田茂之衆議院議員
(写真提供:富田茂之衆議院議員)

 3.11以降、石巻市立大川小学校の問題を唯一、国会で取り上げたのが、公明党の富田茂之衆議院議員だ。

 元々、弁護士でもある富田議員は、政権交代後、衆議院経済産業委員長に就いたものの、安倍晋三首相肝いりの「教育再生実行会議」のオブザーバーメンバーに選ばれている。

 大川小の惨事から4ヵ月余り経った2011年7月27日、衆議院文部科学委員会で、富田議員は、民主党政権当時の高木義明文科大臣に質問していた。

 この頃、富田議員らは、防災教育の大切さを痛感して、被災地の学校現場を視察して回っていたという。

 「そんなとき、大川小学校の悲劇の報道を聞いて、子どもたちが先陣を切って逃げた釜石の小中学校と、なぜこんなに違うのか、どうも学校側が言ってることは違うのではないか、県や市の教育委員会のあり方が違うのではないかと疑問に感じ、(2011年7月18日に)仙台から車を借りて、大川小学校だけ見に行ったんです。教育委員会の言い分も2時間くらい聞きました。

 しかし、(教育委員会は)言ってることがズレてるし、“避難場所を指定して避難訓練もしていた”と言うけれど、ご遺族に聞くと“避難場所を決めていなくて避難訓練もしていなかった”と食い違う。(地震が起きてから津波にのまれるまでの)51分の空白は、問題だったのではないかという意識があったんです」

 富田議員は、高木文科大臣に対し「大川小学校から学ぶべきことが多いし、検証しなきゃいけないことも数多くある」と迫った。

 これに対し、高木文科大臣は「まさにあってはならない悲惨な事態に遭った、この現実を私たちが受け止めるならば、もう一度改めて、この(大川小学校の)経験を全国的な防災教育の大きな柱にしていかなきゃならぬ」などと約束した。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。この世界でも例を見ない「惨事」について、震災から1年経った今、これまで伏せられてきた“真実”がついに解き明かされようとしている。この連載では、大川小学校の“真実”を明らかにするとともに、子どもの命を守るためにあるべき安心・安全な学校の管理体制を考える。

「大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~」

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