大きく緩和が見込まれる狙い目入試

 最後に、志望者動向から大きく倍率が緩和しそうな入試について、日程順に見ていこう。

 1月の埼玉では、2022年に374人が受験した10日午後の大妻嵐山(先端特待)が志望者を2割半強減らしている。埼玉では一番狙い目の入試となりそうだ。

 ここ数年の人気上昇で高倍率が続いた12日午前の青山学院大学系属浦和ルーテル学院(2回)は志望者数4割減で、4.7倍だった実倍率が3倍を切る可能性も出てきた。同じ12日午前では、22年の実倍率8.5倍と狭き門だった大宮開成(特待)も2割半減らして、少しは緩和しそうである。

 埼玉と比べて高倍率の入試が多い千葉でも、志望者数の減少で2倍を切りそうな入試が目に付くようになっている。2割減である20日の日出学園(I期)と東海大学浦安(A)、そして20日午後の昭和学院(算数1科)がいずれも1倍台半ばまで緩和するかもしれない。21日の千葉日本大学第一(I期)も同様だ。

 実倍率3倍だった22日の光英VERITAS(特待)は、志望者が3分の1になっている。どのように盛り返すのだろうか。23日は、22年に299人が受験した芝浦工業大学柏(1回)が1割半減らしており、2倍を切るかもしれない。25日の成田高校付属(一般)もやはり2倍を切りそうな情勢にある。

 2月の入試は受験者数が多い学校に絞って見ていこう。1日午前で志望者数を1割強程度減らしている中では、女子学院が22年受験者数709人ととりわけ多かったこともあって、実倍率が2倍強まで緩和する可能性が出てきた。上位校では、香蘭女学校(1回)が3倍を割れそうで、早稲田実業も3倍台前半まで緩和、共立女子(A)は2倍を切りそうだ。2割弱減の横浜雙葉は、日本女子大学附属(1回)ともども1倍台半ばまで緩和することで、かなり受けやすくなりそうである。

 学習院女子(A)と日本大学(A1回)はいずれも2倍台前半への緩和が見込まれている。3割以上志望者が減少した入試では、創価、普連土学園(1回)、日本大学第三(A1回)などが1倍台半ば以下に緩和されれば極めて受けやすくなる。進学実績が伸びてきている普連土学園は特に狙い目の入試といえる。

 1日午後は、22年に423人が受験した東京農業大学第一(1回)が志望者数を2割半減らしており、1倍台半ばまで緩和するかもしれない。神奈川大学附属(1回)は2倍程度まで、広尾学園(2回)は3倍を切るまで緩和が見込まれている。同200人台の入試を見ていくと、実倍率7.4倍と強烈だった広尾学園小石川(2回)は3割減で大きく緩和しそうであり、2割減の明治学院(1回)と日本大学(A2回)はいずれも2倍強程度に、1割減の大妻多摩(1回午後)は1倍台半ばまでの緩和がそれぞれ見込まれる。