衆院本会議で答弁に臨む経済再生担当相の山際大志郎(手前右)。旧統一教会問題などを巡り、聞くに堪えない釈明を繰り返しており、政権の足を引っ張っているとされる衆院本会議で答弁に臨む経済再生担当相の山際大志郎(手前右)。旧統一教会問題などを巡り、聞くに堪えない釈明を繰り返しており、政権の足を引っ張っているとされる Photo:JIJI

 首相、岸田文雄の内閣支持率の下落が止まらない。共同通信が実施した最新の世論調査(10月8、9日)でついに支持率は40%を割り込み35.0%になった。これに対して不支持率は48.3%に達した。このまま有効な手を打てなければ、“危険水域”とされる30%台を割り込むのは時間の問題といえる。岸田にこの窮地から脱出する道はあるのか。自民党幹部も「八方ふさがりで出口が見えない」と語る。

 例えば国民の多くが不満や批判を抱いているのは、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に絡む問題だ。教団との深い関係が指摘される衆院議長、細田博之の説明については「十分ではない」が87%。元首相の安倍晋三の国葬に否定的な意見は61.9%。聞くに堪えない釈明を繰り返す経済再生担当相の山際大志郎に関しては「辞任すべき」が62.7%に達した。

 もはや終わってしまった安倍の国葬については“取り消し”はできない。となれば岸田は細田と山際の進退問題を決着させるしか打てる手がない。このうち細田については自民党を離れ、議長というポストにいることを考えると口を出しにくい。ただ議長を辞任に追い込んだ例がないわけではない。

 中曽根康弘・竹下登両政権の議長だった原健三郎が辞職に追い込まれている。国会運営で野党側の反発を買い、竹下後継を決める首相指名選挙を行う本会議が開けない事態に発展した。当時の衆院議運委員長の山口敏夫が説得に当たったが、原は頑として首を縦に振ることはなかった。

「辞めろと言うが野党のような暴走族に屈服できるかいな。わしは辞めへんで」