開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

低学年から無理なく勉強を習慣化する1つのコツPhoto: Adobe Stock

最初は親が手本を見せる

 幼いうちは、そもそも机をどういう状態に整えればいいのかわかりません。そのため、勉強を始めるまでに時間がかかり、40分の勉強時間を確保したつもりが、正味20分しかやっていなかったなどということになりがちです。

 ましてや、兄や姉というマネできる存在がいないひとりっ子の場合、親がお手本を示してあげねばなりません。ただし、毎回やってあげる必要はなく、1回お手本を示したら、次からは子どもにやらせましょう。

 なお、整えるのは机だけではありません。椅子の座り方、手の置き方など「姿勢」も大事です。

 VAMOSでも、勉強のできない子は、体がぐにゃぐにゃしたり、足をぶらぶらさせたりと「勉強をする型」になっていません。とくに男の子の場合、そわそわ落ち着かない子が多いので、親がしっかり示してあげましょう。準備のルーティンを早めにつくることはとても大事です。

勉強を毎日のルーティンに組み込む

 勉強は自発的に取り組むことが大事ですが、幼い子どもにとって、自分を厳しく律していくことなど不可能です。

 そこで、「1時間計算をやったら15分はゲームをしていいよ」「夕飯前に漢字を30個書くようにしよう」などと、いろいろなルールをつくり、それを守らせるようにするといいでしょう。

ルールづくりのカギは子どもに合わせること

 ルールのつくり方については、その子がやりやすいものであることが大切で、正解はありません。

 たとえば、毎日、図鑑を読むルールを設定しても、どうしてもできない子もいます。そういう子にむりやり図鑑を与えても時間の無駄です。その分、違うルールをつくって伸びるところを伸ばしてあげましょう。

 そもそも「お手本」がないひとりっ子は、ルールについても「なにをどうしていいかわからない」状態です。だから、親が一緒になって一からつくっていけばいいのです。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)