COP27で講演を行う国連のグテーレス事務総長COP27で講演を行う国連のグテーレス事務総長 Photo:Sean Gallup/gettyimages

基金の詳細設計は来年に先送り
温室効果ガス削減加速では進展なし

 エジプトで行われていた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が11月20日、地球温暖化で引き起こされる途上国の「損失と被害(ロス&ダメージ)」支援のための基金創設を規定した成果文書を採択し、閉幕した。

 基金創設は30年前から途上国が求めていたものだが、先進国と途上国の利害対立からこれまで実現してこなかった。COP27でも交渉は難航したが、会期を延長しようやく合意にこぎ着けた。

 しかし基金の拠出者と受益者、資金の規模や調達方法など、詳細の制度設計は2023年のCOP28に先送りされることになった。

 一方、ロシアのウクライナ侵攻などに伴うエネルギー価格の高騰や供給不安を受け、化石燃料からの脱却にブレーキがかかりつつある中、カーボンニュートラルの推進も大きな課題だったが、基本的に前回会合の成果文書の内容の踏襲にとどまり、新たな進展は見られなかった。

 基金の具体化や温室効果ガス削減の加速はCOP28が正念場になるが、来年は世界経済の減速も予想されて先進国と途上国の調整も一段と難しさを増す。

 来年、先進7カ国首脳会議(G7)の議長国となる日本は先進国側のまとめ役として大きな宿題を抱えた形だ。