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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

面白い音楽を作れていないのは
音楽家とレコード業界の連帯責任だ
業界の仕組みがバブル時代のまま
――☆Taku Takahashi氏(m-flo)インタビュー【後編】

週刊ダイヤモンド編集部
2013年2月5日
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インターネットの普及などによりCDの販売は減少。音楽業界は苦境にあえぎ、音楽家にもそのしわ寄せが及んでいる。こうしたなか、音楽産業はどのように変化するのか、音楽家に生き残る術はあるのか。週刊ダイヤモンド1月12日号では第2特集「誰が音楽を殺したか?」を掲載。その特集が1月28日に電子書籍としてKindle版kobo版で発売されたのに合わせ、人気グループ「m-flo」のメンバーであり、twitterやメディアで意見を発し続ける☆Taku Takahashiさんに思いを聴いた。大きな反響となったインタビュー前編に続いて、後編をお届けする。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 森川 潤)

☆Takahashi Taku(タカハシタク)
DJ、プロデューサー。98年にVERBAL(バーバル)と「m-flo」(エムフロー)を結成。全6枚のアルバムはオリコンチャート10位以内で、ソロワークとしては海外の老舗配信サイトbeatportで年間1位をとり、日本人で初めてアワード受賞した。2011年、インターネットラジオ「block.fm」を立ち上げ、国内外の人気DJが最先端の音と情報を発信する場を提供している。今年3月には新アルバム発表を予定している。

かつてサイコロの面数は3
今は6面から8面に増えた

――音楽家が活動するなかで、レコード会社の役割が急速に小さくなっている。

 やはり、レコード会社は重要な存在です。今、レコード会社と、音楽家や事務所がうまく機能していないのは、根本がバブル期のまんまの感覚だから。

 バブル期はわりと、(ヒットが出るか、出ないかをサイコロを振るのに例えると)サイコロの目で当たり目が出て勝つ回数が今より多かったんです。かつてはサイコロの面数が3面だったのが、今は6面、8面くらいに増え、そのうち当たり目が1つぐらいに減ってしまっている印象です。

 正直、必ずヒットすると事前にわかることはないから、音楽産業はサイコロ振ってみないとわからない側面が強い。ただ、その中で当たりの面を増やすのが僕らプロデューサーや音楽業界の作業だと思います。

 これは僕の持論なんですが、音楽家とその所属事務所といった「個」と、レコード会社の「組織」の役目を分けるとすると、「個」の仕事は足し算で、「組織」の仕事は掛け算。

 まず、音楽を発信して、最初の熱狂的な固定ファンを足し算で作るのが個の仕事。ゼロの状態に1を足して、1以上にする。そして、組織側は流通への働きかけを通してそれに×100する役割といえる。

 もし音楽家や事務所がファンを作れずゼロのままだったら、いくら組織が×100しても、ゼロのままですよね。つまりヒットが生まれない。これが何度も繰り返されていますが、うまくいってない組織はいつもこのパターンです。

――すると、音楽家は何に取り組むべきなのか。

 ファンベースを自分でしっかり獲得する意識というのが大事。これは基本中の基本で、はるか昔から変わらない普遍的なものです。

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