■Case4「正確に報告して!」

 この時期は、まだ「報連相(報告・連絡・相談)」に慣れていない部下も多いと思います。報告内容があいまいだったり、伝えるべきことが漏れていたりすることもあると思います。

「報連相」はビジネスの基本。うまくできていない部下にビシっと「正確に報告して!」と言いたくもなりますが、例えば入社したばかりの新人や、異動したての部下など、まだ関係性ができあがっていない状態だと、ビシっと言われて萎縮してしまったり、モチベーションが下がってしまったりするケースもありそうです。

 このような場合は、ぜひこのように伝えてみてください。

◎「君の評価をもっと上げたいんだよ。途中の報告をきちんとしておいてくれると、評価がしやすいんだ」

 部下の立場からすれば、上司への日々の報告は「面倒くさい業務」の一つです。報告した結果、注意されたり怒られたりしないか、不安に思っている人も少なくないと思います。

 そんな状況下では、伝え方の技術「相手の好きなこと」が力を発揮します。

 評価は給与アップやキャリアアップに直結するので、ほとんどの人が「上げたい」と思っています。この例のように伝えれば、部下は「きちんと報告すれば、評価が上がるかもしれない」と感じ、自分から「もっと報告の精度を上げよう」と思えるでしょう。

 感情のままに「正確に報告して!」と言ってしまうと、面倒くさい上司だなと思われてしまうかもしれませんが、同じ内容であっても技術を使って伝え方を少し工夫するだけで、部下の印象はガラリと変わり、信頼へと変わる可能性があるのです。