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出口治明の提言:日本の優先順位

G20とアベノミクスと次期日銀総裁

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第76回】 2013年2月19日
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 モスクワで開かれていた20ヵ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)は、2月16日夜に共同声明を採択して閉幕した。各紙は軒並み一面のトップで報じたが、日経新聞(2月17日朝刊)の見出しによれば、「アベノミクス薄氷の支持」という結果となったようだ。ところで、G20は何故、これほどまでに注目されるのだろうか。

グローバリゼーションが
G20を押し上げた

 世界の主要国の集まりとしては、1976年に発足したG7がよく知られているが、G7は首脳会議(サミット)と財務大臣・中央銀行総裁会議から構成されていた。ところが、グローバリゼーションの進展に伴い、G7だけでは激変する世界の金融・経済情勢に対応できなくなってきたので、1999年より、G7にロシアや新興国11ヵ国が加わり、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されるようになった。

 この会議には、国際通貨基金や世界銀行等、関係する主な国際機関も参加している。アメリカのサブプライムローン問題(2007年)を契機とした世界金融危機の高まりを受けて、2008年からはG20の首脳会議も開かれるようになった。そして、2009年、アメリカで開催されたG20は、「G20を国際経済協力の第1の協議体」とすることで合意した。即ち、G20は、国際金融・経済に係る実際的な「世界の司令塔」となったのである。

 ちなみに、世界のGDPに占めるG20のウェイトは約9割、貿易総額に占めるG20のウェイトは約8割と、圧倒的なシェアを占めている。少し旧聞に属するが、例えばエジプトのアラブの春(2011年)は、原因も結果も共にワシントン発であったと揶揄されることがしばしばある。

 その意味は、アメリカの金融緩和政策(QE1・2)が、エジプトの食料価格を押し上げ、市民がフェイスブック等、アメリカ初のソーシャルネットワークを介して集まり、政権を打破したというところにある。事の真偽はともかく、このようなグローバリゼーションにおける世界経済の一体化という現象を直視すれば、G20が世界の司令塔となることは、必然的な流れであったと理解されよう。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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