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今週のキーワード 真壁昭夫

日本をロックオンする中国と核実験頼みの北朝鮮
暴れ者に相対する“国防論”をそろそろ真剣に考えよう

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第264回】 2013年2月19日
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日本艦をロックオンした中国と
核実験を強行して本土を狙う北朝鮮

 先月、中国のフリゲート艦が、わが国海上自衛隊のヘリコプターと護衛艦に対して火器管制レーダーを浴びせたという。それは、ミサイルなどを撃つための照準を合わせる「ロックオン」と呼ばれる行為であり、まさに戦闘開始の一歩手前のプロセスだ。

 ロックオンを受ける側が自己防衛のために、即座に迎撃用の火器を使うことも考えられる。つまり、ほんのわずかな行き違いで即戦闘開始に至ることも考えられる、極めて危険な行為だ。当然、中国軍がそうした事情を知らないわけはない。わが国政府が主張する「挑発行為」であることは間違いない。

 一方北朝鮮は、世界の批判の大合唱を向こうに回して核実験を行った。北朝鮮の核ミサイルが、わが国に飛来する懸念が現実のものになりつつある。

 中国や北朝鮮の行為は、直接わが国の安全保障に大きな脅威を与える問題だ。安倍政権は、今のところ挑発につながる言動はとっていないものの、かなり厳しい非難を浴びせ、対立の姿勢を示している。このことは、それなりに評価できるだろう。

 今後、中国人民解放軍、特に海軍力の一層の台頭が予想される。また、北朝鮮も、独裁者=金王朝の存続をかけて核兵器の開発に邁進するだろう。これらは、いずれもわが国にとって安全保障上の大きな脅威である。

 今まで、わが国は日米安全保障条約によって、米国の強大な軍事力に守られており、「米軍の傘の下にいればよい」との意識が強かった。しかし、現在のようにアジア情勢が混沌とし、しかも近隣諸国から直接的に軍事的圧力が加えられる状況を考えると、本当に米軍依存一辺倒の体制でよいかを考え直す時期が来ている。

 わが国の人々は“水と安全はタダ”と思いがちだったが、このへんで自分たちの安全について考えなおすことが必要だろう。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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