■Case2「君のことを話してくれる?」

 前述の部長のように、部下のことをもっと知りたい、関係性を深めたいという人は多いと思います。そんなとき、1on1の場などで「君のことをもっと話して」と伝え、相手から情報を引き出そうとしてはいませんか?

 上司として、部下の状況を把握しておきたいのは当然のことです。現在抱えている業務の内容や量、進行具合などはもちろん、キャリア志向や身につけたいスキル、できれば趣味などプライベートのことまで細かく理解し、ピープルマネジメントの精度を高めたいと思う人もいると思います。

 ただ、ストレートに「君のことを話して」と言われても、はいそうですかとペラペラしゃべり出す部下は少ないでしょう。まだ関係性ができ上っていない上司であればなおさら、必要以上に自分のことを話したくない…と思うのも、これまた当然です。

 では、どうすればいいのか。例えばこんなふうに伝えてみてください。

「君の専門性を活かせるよう、希望などを詳しく聞いておきたいんだ。もっとみんなが働きやすい環境にしたいからね」

 ポイントは、「専門性を活かせる」「みんなが働きやすい環境にしたい」という点。いずれも、伝え方の技術「相手の好きなこと」を使った伝え方です。相手の好きなことをもとに伝えてあげると、相手はとても嬉しく感じます。「余計なことを話したくない」というネガティブな思いが薄れ、「専門性が活かせて働きやすい環境にしてもらうためには、自分から自己開示したほうがよさそうだ」と思ってもらいやすくなります。

■Case3「連絡先を教えてよ」

 春は出会いの季節でもあります。例えば異動先で出会った人、新しいプロジェクトで一緒になった人などに好意を抱き、お近づきになるためにプライベートな連絡先を知りたい…と思っている人もいることでしょう。

 しかし、ストレートに「連絡先を教えてよ」と聞いてしまうと、相手からすれば「そんなに親しくない人に教えたくないな…」と抵抗感を覚えるでしょう。「いきなり連絡先を聞くなんてちょっと気持ち悪い人だな」などと思われる恐れもあります。

 では、どのように切り出せばいいか。このように伝えてみてください。

「すっごくおいしくて穴場のタイ料理の店を見つけたんだ。よければ情報送るから、LINE教えてくれない?」

 これは伝え方の技術「相手の好きなこと」を使っています。「すっごくおいしいお店」の情報は、誰しも知りたいと思うものです。誘いたい相手が無類のタイ料理好きだったら、なおさら詳細が知りたいと思うはずです。

 連絡先を教えてもらえる可能性を上げたいのであれば、事前に相手が好きなものをリサーチしておくといいでしょう。韓国料理が好きだったり、イタリアンが好きだったりすれば、タイ料理の部分を「穴場の韓国料理」「穴場のイタリアン」に変えて伝えてみてください。きっと二つ返事でLINEを教えてくれるはずですよ。