家賃が安くても他の出費増!?意外に深い「コスパがいい部屋」の条件写真はイメージです Photo:PIXTA

不動産・住宅情報サービスのLIFULL HOME'Sが発表した「家賃の差額が大きい条件ランキング」(対象エリア:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県。調査期間:2022年4月~2023年3月)が興味深い。賃貸で住まいを選ぶときに最もキーとなるのは家賃だが、その金額が住宅設備や構造等の違いによってどれほど増減するかを調査したものだ。毎月払い続ける家賃の場合、わずか5000円の差でも年間に直せば6万円もの違いが出る。しかし、安ければ安い方がいいかといえば、それも正しくない。家賃の金額だけでは見えてこない「暮らしの快適度=コスパの良さ」について、このランキングからひもといてみたい。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

何の条件を外せば家賃が安くなる?

 次の図を、まずご覧いただきたい。冒頭で紹介した「家賃の差額が大きい条件ランキング」をまとめたものだ。

 まず、家賃に差が出る条件の第1位は「オートロック」だった。「あり物件」と「なし物件」の差は月額で2万6000円となり、年間ではなんと31万2000円もの差が出る。

 2位の「鉄筋系」と「鉄筋系以外」では月額2万4000円差で、これもなかなかだ。3位の「築5年未満」はいわゆる築浅物件を指し、築5年以上と比べると差額は月額2万2000円になった。では、これらの条件を一つずつ外していけば家賃が抑えられるのかといえば、話はそう簡単でもない。