原油価格は米国の金融緩和で90ドル超えも、2023年後半の暴騰・暴落リスクシナリオPhoto:PIXTA

2023年度に入って以降、原油価格は1バレル当たり75ドル~65ドルの価格レンジで推移している。原油価格の動きは今年度後半にかけて、どのようなシナリオが考えられるのだろうか。(マーケット・リスク・アドバイザリー共同代表 新村直弘)

OPECプラスの減産で
2024年の原油価格は想定以上に上昇

 原油は私たちのエネルギー源であり、ありとあらゆる化学製品の基であり、実体経済の“血液”だ。その原油価格は、景気に左右される。

 弊社が想定しているメインシナリオでは、原油価格は今年後半に向けて価格水準を切り下げ、景気底入れの前後のタイミングで上昇に転じるとみている。価格を左右する要因である需給面において供給面が材料になるのは、景気が良好で供給に障害が生じたときである。

 景気が減速する局面でOPEC(石油輸出国機構)やOPEC加盟国と非加盟国でつくるOPECプラスによる減産は、価格を下支えする効果をもたらすと整理するのが適切である。

 OPECプラスは6月、原油生産量について22年8月比で日量200万バレルを削減する方針を維持した上で、2024年1月から12月にかけて新たな減産措置を講じることを決定している。

 市場関係者が想定している通り、23年後半にかけて景気が底入れするならば、24年の原油価格は想定以上に上昇する可能性があると考えている。