かつて世界5大モーターショーと言われたのがデトロイトモーターショー、フランクフルトモーターショー、パリモーターショー、ジュネーブモーターショー、東京モーターショーだ。いずれも欧米・日本という自動車先進国で世界のクルマが一堂に出展されるという、まさに“国際モーターショー”という名称にふさわしい祭典として位置付けられてきた。東京モーターショーも、日本のモータリゼーションの発展とともにかつては盛況を遂げてきた。

 しかし、近年、世界のモーターショーは中国が世界トップの自動車市場にのし上がってきたことで変貌を迎えつつある。

 具体的には、中国の北京・上海・広州の各モーターショーがかつての5大ショーのように世界のクルマが一堂に出展される盛況ぶりを見せる半面、“老舗”モーターショーが衰退していく動きが進んできた。

 実際、今年は9月初旬にミュンヘン国際自動車ショー(フランクフルトから開催地変更)が、これに続きデトロイトモーターショーがそれぞれ開催されている。だが、ミュンヘンは自国のドイツや欧州勢のほかは中国勢が出展した程度で、米国・日本勢の影は薄かった。デトロイトも米GM・米フォードら自国メーカーが中心で、日本勢や欧州勢の存在感は小さかった。

 ジャパンモビリティショーでの自動車メーカーの出展も、日本の乗用車8社とソニー・ホンダモビリティ、商用車メーカー4社のほかは、ドイツのBMW、メルセデス・ベンツ、中国のBYDだけにとどまる。

 つまり、かつての国際モーターショーは、中国以外は自国偏重の“ローカルショー”に変貌してしまったということだ。

 この背景にはコロナ禍や米中対立を機に進んだ供給網の分断に加え、各国が自国のEV産業を保護的に育成しようとしていることがある。特に現在は、EVを巡る世界覇権争いが進んでいるさなかでもある。