若手が挑戦できる「風通しの良さ」と
古き良き「相互尊重」が高評価のカギ

 今回のランキングでは、1位日本郵船、2位日揮ホールディングス、3位中外製薬という結果になった。業界ごとに見ると、上位30社のうち「メーカー・商社」が最も多い11社を占めた。他に「不動産・建設」「IT・通信・インターネット」業界などの企業も並んだ。

 まず、上位3社のクチコミ項目に投稿されたリアルな声(原文ママ)を紹介する。

「組織力を重視している。社員のギラギラした競争意識は全くなく、組織として成果を出すには、という意識が強い。定期的なジョブローテーションをほとんどの人が経験するため、基本的に上下関わらず聞きやすく、新しく着任した人が馴染みやすいような環境がある」(総合職、女性、日本郵船)

「風通しは非常に良く、上下関係や学閥などのしがらみはありません。海外企業とのやり取りが多いことも関係しているのか、思ったことは立場関係なく発言する事ができ、発言することを求められる」(営業、女性、日揮ホールディングス)

「組織体制については、以前は部署間でのコミュニケーションに一定のハードルが存在していたものの、最近は様々なツールを用いて、壁を取り払う取り組みがなされている。また、自己成長を重んじる文化があり、そのためのコンテンツは非常に豊富に用意されている。自己成長のためならばプライベートの時間も活用していく意思のある人であれば、全く問題なく馴染める。また、全社的にあまり悪い意味で外れ値のような人材がおらず、どの部署に行っても優秀な人材が揃っている」(営業、マーケティング、一般、男性、中外製薬)

 次にランキング上位30社の平均スコアを見てみると、「風通しの良さ」は5点満点中3.90点(全企業平均3.35点)、「社員の相互尊重」は3.73点(同3.31点)となり、合計スコアは10点満点中7.62点(同6.66点)となった。企業規模や資本形態を問わない全企業を対象に、同じく回答時に20代から30代だった新卒現職者の評価スコアと比べると、上位30社員の「風通しの良さ」「社員の相互尊重」合計スコアは1点近い差をつけての高評価となった。

 ランクイン企業で働く新卒入社者が投稿したクチコミには、緊密な人間関係を築こうとする風潮が強いことや、結婚、出産など社員のライフイベントを大事にする「古き良き」企業の姿を特徴として挙げる声が多く見られた。このような企業文化が、単に社員同士の仲の良さにとどまらない様子もうかがえる。

 年功序列である一方、若手にも裁量権があり、上司と部下が分け隔てなく議論を尽くし、社長や役職者にも名字に「さん付け」で呼ぶ文化を肯定的に捉える声も並んだ。こうした組織風土によって若手が意見を言いやすい文化が醸成され、チャレンジや成長を促していると考えられる。「若手だから」と意見を軽んじられることのないボトムアップな社風が、「チームワークが良い」と高く評価される理由ではないか。

 また、定期的に職場や職種を異動して経験を積ませるジョブローテーションによって、人材が組織内に循環することの利点も挙げられていた。ジョブローテーションは必ずしも自分の意思や希望に沿うとは限らず、専門性を早く身につけたい若手には焦りがあるかもしれない。その一方、社内で人脈が広がることにより、風通しの良い職場環境が形成されている、といった声も寄せられた。

 若手のうちからさまざまな仕事に挑戦できるからこそ、自ら考え、行動に移さなければならない厳しさもある。事業規模の大きさゆえに経験できる仕事は多岐にわたる一方、上司に言われた業務をこなすだけでは埋もれてしまう、といった声も見られた。

 環境や機会が与えられるのを受け身の姿勢で待つのではなく、自らの意見や考えを積極的にアウトプットし、挑戦することで働きがいにもつながるといえそうだ。