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被災者はどこに住むべきか~宮城県名取市閖上のいま

【新連載】
現地再建か、内陸移転か
町の再建に揺れる被災地・宮城県名取市閖上の確執

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第1回】 2013年3月11日
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宮城県名取市閖上地区の日和山から街を臨む
Photo by Yoriko Kato

 東日本大震災の津波によって、800人近い犠牲者を出した宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区。そのうち40人以上が、いまも行方不明のままだ。

 仙台藩直轄の漁港があった閖上は、「日本一の赤貝の水揚げ量」でも知られる、風光明媚な住宅地だった。

 5600人余りの人口のうち、当時、在宅していたのは4000人弱。実に5人に1人が犠牲になっており、その割合は突出している。

 そういう意味でも、原発被害に揺れる福島を除けば、児童・教職員84人が犠牲になった石巻市立大川小学校の惨事と並んで、今回の震災の問題を象徴するような悲劇の舞台となった。

 そんな閖上地区ではいま、町の再建を巡って、家を失った被災者と名取市側の間で、大きな隔たりが生まれている。

 なぜ、住民と行政の間で亀裂が生じてしまったのか。それは、市の設置した協議会で、津波によって人々や家が流され、ほぼ更地になった閖上地区の地盤を再開発。海抜5メートルまでかさ上げして町を作り出すという現地再建の方向性が示され、進めようとしているからだ。

「閖上に戻りたくない」住民と
「町を現地再建したい」名取市

 市の行ったアンケートによると、家族を失った被災者の中には「津波が来た高さの土地には住みたくない」という人もいる。「揺れが起きるたびに、当時を思い出す」という人もいる。

 「閖上に戻りたい」と答えた住民はおよそ3分の1。残りの約3分の2は「戻りたくない」という意向だったという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


被災者はどこに住むべきか~宮城県名取市閖上のいま

東日本大震災の津波で700人以上が亡くなった宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区では今、どこに町を再建するかを巡り、住民と市長・行政の間で大きな隔たりが生まれている。この連載では、閖上地区を具体例としながら、震災から2年経った今だからこそ見えてきた被災地の直面する問題を明らかにする。 

「被災者はどこに住むべきか~宮城県名取市閖上のいま」

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