2023年11月に創立100周年を迎えた高砂熱学工業。「空気調和」のパイオニアとして培った技術力を基盤に、地球の未来をきりひらく「環境クリエイター」へと進化を図る。成長領域はカーボンニュートラル事業で、グローバル市場に向け創造的な成長を続けている。

高砂熱学工業
小島和人 代表取締役社長
T-Base内ユニット生産ラインにて

 高砂熱学工業の創立は関東大震災が起きた1923年。創立当時は国の主力産業だった紡績業における温湿度調節を担い、60年代以降はビル群やデパートなどで冷房を含めた快適かつ高品質の空調を提供、また製造業に欠かせないクリーンルームやドライルームの設計・施工も手掛けてきた。東京ドームで採用された大型空気膜構造にも同社の技術が生かされている。文字通り「空気調和設備」のパイオニアといえる存在である。

 小島和人社長は、「当社は財閥系の企業ではなく今でいうスタートアップであり、事業の根底にあるのは、お客さまと協働しながらの"創造的開発"です。歴史にないものは自分たちでつくる──を合言葉に、自由な研究を奨励することで画期的な技術や製品を生み出し、その時々の社会課題に対して解決策を提供してきました。100年企業に成長できたのは、社会の変化に対応できる技術力と営業力があったからです」と振り返る。