死亡事故も発生…「悪質電動キックボード」の巻き添え事故から逃れる“2つの合言葉”Photo:PIXTA

急速に普及している電動キックボード。安定性に課題があるにもかかわらず、法改正によって「16歳以上なら免許不要・ヘルメット着用は努力義務」と規制が緩和されました。ドライバー側からすると、ヘルメットを着用せず、交通ルールを無視して走行する電動キックボードは事故を招きかねない危険な存在でしょう。そうした車両に出くわした際に、無用な事故やトラブルを起こさないための“2つの合言葉”を伝授します。(モータージャーナリスト 諸星陽一)

安全性に疑問符も
「あれよ、あれよ」と普及

 2023年7月の改正法の施行によって、数年前の台頭から「あれよ、あれよ」という間に規制が緩和されてしまった電動キックボード。現行法では、16歳以上なら免許不要で運転可能となっています。

 ですが、タイヤが小さく不安定なのに「ノーヘルメット」で疾走しているユーザーも多く、クルマと接触すると大事故になるリスクが高いといえます。ドライバーにとっては恐怖でしかありません。

 実際に、23年12月1日には長野県軽井沢町で大型バスと電動キックボードが衝突し、電動キックボードを利用していた女性が脳挫傷で死亡したと報じられました。報道によると、この女性はヘルメットを着けていなかったとみられます。

 それでも電動キックボードの利用者や貸し出しポートは増え続けており、街の至る所で目にします。そうした状況下では、読者の皆さんもドライブ中に意図せず電動キックボードと接触してしまう可能性もゼロではありません。

 どうすれば、電動キックボードとの予期しない事故を防げるのでしょうか。安全運転講習会や試乗会のインストラクターも務める、モータージャーナリストの筆者が解説していきます。

 なお、電動キックボードとの接触事故を防ぐ上では、その仕様や弱点を頭に入れておく必要があります。この乗り物自体を敬遠してきた人も、次ページ以降で示す要点を押さえておくと、事故防止に役立つ「動き方のクセ」が分かってくるはずです。