小売業界イメージアフターコロナにますます需要が盛り上がる人材とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第3弾は「新しい時代の生活を守る業界」として、「小売り業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

 短期的に見れば、二極化のフェーズに入っているのが、小売業界だ。インフレ下で低価格商品が売れる傾向にあり、ディスカウントストアが好調だ。一方、苦戦が続いた百貨店では訪日外国人観光客の需要回復に加えて、日本人向けの高額商品も売れ行きがいい。

 要は、価格の二極化が起こっているのだ。

 そんな中、小売業界は人手不足感が強まっており、生産性を上げるため、各社さまざまな投資をしながら効率化を図っている。

顧客と接点を増やす
「リテールメディア」

 2022年は、実店舗の生産性向上のためにDX化が課題だった。最近は、顧客との関係作りのために「リテールメディア」が注目されている。これは、生産性を上げつつ顧客との接点を増やす施策の一つである。

 小売業界はトレンドの移り変わりが早い。そのため、この業界を目指すなら固定観念にとらわれず新しい発想を持てるかがポイントだ。「小売業界で働く人には変化対応力が求められている」(野村證券アナリストの山岡久紘氏)

 また、最近は海外進出する企業が一層増えてきた。例えば欧米やアジアの小売業界で何が起こっているのかをリサーチできれば参考になることも多い。グローバルな視点を持つ人材は、この業界で活躍の場が広がるだろう。