2012年度から現在までのプライマリーバランス
(対GDP)予測と実績の乖離(平均値)

2024年は財政改革「検証の年」、予測と実績の乖離に目を向け、財政健全化プランを作成せよ2012年度から現在までのプライマリーバランス(対GDP)予測と実績の乖離(平均値)  *内閣府「中長期の経済財政に関する試算」を基に作成。1月版・2月版のデータのうち、予測は2012年度から24年度まで、実績値は12年度から23年度までの値を用いた。ただし、14年度の予測値は13年8月版の値、23年度の実績は23年7月版の値を利用

 政府は、2025年度までに国と地方を合わせたプライマリーバランス(PB)を黒字化する目標を掲げている。岸田文雄首相は23年11月2日の記者会見で、現在もこの目標を変更する考えはないと説明した。

 財政健全化に向けて、24年は節目の年となる。なぜなら、政府が23年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」には、「中期的な経済財政の枠組みの策定に向け、経済・財政一体改革の進捗について2024年度に点検・検証を実施する」との記載があるからだ。

 財政健全化の点検と検証は、当初の政府の想定(予測値)と、増税や歳出の効率化などの結果(実績値)を比較して検証することが重要だ。その際、PBや、PBに債務の利払い費を加えた財政収支(FB)のデータが扱いやすい。