「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。「久しぶりにぐっすり眠れた」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された」「脊柱管狭窄症の診断を受けたが、痛みが和らぎ手術を回避できた!」「健康的にダイエットできた」「更年期の不調が消えた」など、多くの声が寄せられています。
現在、国内・海外で約15,000名が実践。鍼灸、整体、ヨガを構成した動きで、痛み、コリ、冷え、疲労、不眠、便秘、不定愁訴を解消します。
今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた
『すぐできる自力整体』が発売。症状別の「悩み解決ワーク」のほか、じっくりほぐして骨盤調整もできる「4つのコース(動画つき)」を収録。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。
本書より一部を抜粋・編集し、その中身を紹介しましょう。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】熟睡できる「1つの習慣」。体調もよくなるからやってみて

浅い眠り、生理痛・PMS、体重増に悩んでいたJさん

本の執筆時、「自力整体」を実際に体験していただけるモニターさんを募集しました。

ワーキングマザーのJさん(45歳・女性)の悩みは、浅い眠りと月経にまつわる不調。体は左右にゆがみ、股関節は硬く「あぐら」などはできません。

夜中、目覚めるのは当たり前。朝までぐっすり眠れない生活を何年も続けていました。 さらに、ひどい生理痛とPMS(月経前症候群)は20年以上。排卵期が過ぎると重だるくなり、気分は落ち込み抑うつ状態に。

出社できないほど3,4日寝込むこともしばしば。罪悪感から仕事を全力でこなし、自分を追い込んでいました。休日は疲れ果て、ほとんど横たわっている状態。家族やお子さんに寂しい思いをさせてしまい、落ち込んでいたのです。

Jさんは、これまで様々な病院に通いました。たくさんの薬を飲み、試行錯誤のくり返し。しかし、どれも解決にはつながりませんでした。さらに更年期が近づくと、体重増加

「これはマズイ! 本気でどうにかしなければ!」
あせっていた時、自力整体に出合われたのです。

女性特有の不調は、骨盤まわりの血行不良を疑う

私は自力整体とともに「女性のための予防医学講座」も開催しています。そこでは、Jさんと同じように悩む女性が多いと感じています。

自力整体がベースとする東洋医学は、「気・血・水」の流れを見ます。とくに女性特有の不調は、骨盤まわりの流れの滞りを疑います。

これは、骨盤のゆがみ、冷え、硬さがおもな原因。血行不良につながります。放置すれば、老廃物が溜まりやすい生理前は重だるさを感じやすくなります。

骨盤がゆがみ、冷たく硬かったJさんの体も、ひどい血行不良でした。これが、浅い眠り、婦人科系の不定愁訴につながっていたのです。

寝る前「骨盤まわりをほぐすワーク」を習慣に

Jさんには、寝る前「骨盤まわりをほぐすワーク」を習慣にしていただきました。血流改善と熟睡に役立つからです。

とくに女性は、骨盤の中心にある「仙腸関節」のゆがみを整えるワークがおすすめです。仙腸関節とは背骨の下部にある仙骨と腸骨が組み合わさる関節。女性特有の不調は、仙腸関節のズレが関係していることが多いのです。

Jさんには、仙腸関節をほぐすワークを中心に週に4,5回おこなっていただきました(※ワーク詳細は記事後半で紹介)

【整体プロが指南】熟睡できる「1つの習慣」。体調もよくなるからやってみて矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗