香川県は降水量が少なく、夏場は高知県にあるダムから水を供給しています。夏になるとニュースでもよくやっています。「資源」の意味をきちんと理解して、水も資源だとわかっていれば、東大の入試問題といえども中学生でも解けると思います。「資源って言うと、石油とか……?」と考えてしまうと答えられない、奥が深い問題だと言えるでしょう。同じような問題に引っかからないように「資源」の意味をぜひ覚えておいてください!

「偏在」と「遍在」は
実は真逆の意味

 次は「読み方は同じだけど使い分けが必要な言葉」についてです。社会科では、資源の場所についてなどで「偏在」という言葉がよく使われます。「レアメタルなどの資源は、世界各国に偏在しているものであるため、値段の調整を国家間のレベルで行うべきだ」というような使い方がされています。

 そして同じ読み方で、さらに漢字もよく似た「遍在」という言葉があります。どちらも「へんざい」なのですが、意味は全然違うものになります。

 みなさんは「偏在」と「遍在」、どう使い分けるか知っていますか?

 まず「偏在」は、「偏り」という漢字が使われていますね。「偏見」とか「偏狭」とか、そんなふうにかたよっていることを指します。ここから派生して、「偏在」は「特定の場所や地域に偏って存在していること」を指します。

 そして「遍在」には、「遍く」という漢字が使われていますね。「普遍」「遍歴」など、「広くいろんなところで当てはまること」を指すのが「あまねく」という言葉の意味です。ここから派生して、「遍在」は、「いろんな場所に広く存在していること」を指します。

 つまり「資源が世界に偏在している」は、資源が偏って存在している、存在しているところが限られているということになります。たとえば石炭とか石油が当てはまりますね。逆に、「資源が世界に遍在している」だったらその逆で、いろんなところにあるという意味になります。たとえば水や食料品などの、ほぼ世界中にあるものが当てはまります。簡単な「へん」の違いで、まるっきり意味が逆になってしまうので、注意が必要です。

 なんとなく同じような言葉だろうと思い込んでいたり、文脈でなんとなく判断していたりする人が多い言葉なので、この機会にそれぞれの漢字の意味を含めて覚えておいてください。