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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

なぜ日本の電機メーカーは
韓国製品に完敗してしまうのか

高田直芳 [公認会計士]
【第25回】 2010年1月22日
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 第21回コラムでは、トヨタ自動車などのデータを元に「損益デッドクロス」を紹介した。第23回コラムではソニー・富士通・NECの決算データを用いて、損益デッドクロスから経済学の企業行動論へと展開していった。そして第24回コラムは、「西の横綱」と呼ばれたパナソニックを取り上げた。

 話題の連続性からすれば今回は、かつて「東の横綱」と呼ばれた日立(日立製作所)を取り上げるのが自然な流れだろう。ところが、今度ばかりは、お手上げだ。分析資料をいくら眺めても、どう説明していいのか、わからない。日立の業績が低迷しているのはもちろんだが、何によりも同社には、切り込むにあたっての“話題性”がないのである。

 例えば新聞や経済雑誌などを読んでいると、ソニーはゲーム、富士通はスーパーコンピュータ、東芝は原子力、パナソニックは三洋買収などの記事が踊る。各社ともそれに絞った経営戦略を展開しているわけではないが、「この会社には、この話題」がついて回っているのは確かだ。

 では、日立には何があるのか。過去3か月ほどのスクラップ記事を読み返しても「これこそ、日立だ!」という話題が見つからなかった。日立マクセルなど完全子会社化の話題などがあったようだが、身内でかためた「草食系M&A」では、長期低迷から脱する推進力にはなりそうもない。

 そういうときは足もとを見るに限る。家電製品から話題を見つけようとして我が家を見回したところ、パナソニック製とシャープ製が多いことに改めて驚いた。

日立が東芝・三菱に抜かれた!?
総合電機メーカーで起きた下克上

 とりあえず今回は(←こういう表現は極めて非礼である点をご容赦いただくとして)、第6回コラムで取り上げた東芝に、日立と三菱電機を合わせた総合電機メーカーを一括りにして取り上げ、経済不況後における各社の戦略について分析していきたい。なお、細かな業界定義を述べるならば、パナソニックとシャープは総合「家電」メーカーである。

 まず、総合電機メーカー3社の時価総額を比較してみよう。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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