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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

アベノミクスに踊らされたハウスメーカーの苦悩(上)

消費税8%の「高金利」を貪る政府の高利貸し事業の正体

高田直芳 [公認会計士]
【第149回】 2015年1月30日
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 筆者が某都市銀行に勤務していた時代、長期プライムレート(長プラ)は年7%台であった。当時、住宅ローンを申し込んだ人の多くが、変動金利よりも固定金利を選択していた。金利はまだまだ上昇すると考えていたからであろう。

 その後、長プラが8%や9%にまで上昇することはなかった。だからと言って、当時固定金利を選択した人を揶揄(やゆ)することはできない。それは後講釈である。

 現在の長プラは、年1%台だ。民事利率は年5%であり(民法404条)、商事利率は年6%であるから(会社法117条4項ほか)、現在の金利は最安値圏と言えるだろう(日本経済新聞2014年12月31日)。

 いまから住宅ローンを組む人は、長期固定の住宅ローン「フラット35」を選択するのだろうか。いつの時代も、リスクを回避したいという思いは強いようである。

 金利に敏感な人たちを嘲笑うかのような時事問題が、消費税だ。アベノミクスや黒田バズーカによって、どれほどの低金利が実現されようとも、消費税率8%という「高金利」は尋常ではない。長プラ1%台と比較すると、8%の金利を要求する政府は、とんでもない「高利貸し」に映る。

企業経営者は、マクロ経済よりも
「自社はどうなのか」に関心がある

 政府という名の高利貸しに追い立てられる人たちが、どのような行動を取るのかを、戸建て注文住宅の受注データを用いて確認しておこう。

 〔図表1〕は、戸建て注文住宅の受注について、対前年同月比を百分率で表わしたものだ。一般社団法人住宅生産団体連合会の資料を利用して、13/1(2013年1月)から14/6(2014年6月)までの推移を描いた。

 〔図表1〕を見ると、2013年4月は黒田バズーカ(異次元金融緩和)の号砲により、受注が急増した。その後、消費税率5%が適用される2013年9月まで、駆け込み需要が発生した。ところが、2013年10月以降、大ブレーキがかかり、戸建て注文住宅への需要が急速にしぼんだことが読み取れる。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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