ジャジャ馬を連想するが
通常モデルよりも公道での乗り心地が良くなった

 IONIQ5 Nのボディ寸法は、全長4715mm×全幅1940mm×全高1625mm、そしてホイールベースが3000mmの四輪駆動車。バッテリー容量は84kWhだ。

 前後モーターの最高出力は、通常モードで448kW。10秒間だけ一時的に出力が上がるN Grin Boost(NGB)を使用すると478kWに達する。最大トルクはそれぞれ740Nmと770Nm。最高速度は時速260キロで、停止状態から時速100キロまでの加速性能は通常モードで3.5秒、NGBで3.4秒である。

IONIQ5 N高出力だが乗り心地も大きく改善された 画像提供:ヒョンデモーターカンパニー

 こうした数字を見ると、かなりなジャジャ馬を連想してしまうが、そんなことはない。

 まず、一般道を走行したが実に滑らかで上質な走り。ドライバーの安心感がとても高い。

 全幅が1940mmもあるが、クルマとドライバーとの一体感が強いため、狭い道路でのスレ違いもあまり苦にならない。

 筆者はこれまで、通常モデル「IONIQ5」をさまざまなシチュエーションで走行してきたが、最も気になっていたのは路面からの突き上げの強さだ。この点が、IONIQ5 Nでは大幅に解消されている。それに伴い、高速道路での直進安定性もさらに上がった印象だ。

 高出力化に伴い、車体各部の補強、N専用電子制御サスペンションの採用、そしてハイパフォーマンスタイヤ採用など各所の改良はより速く走るためだけではなく、日常ドライブでの乗り心地も改善している。

 また、まるでエンジン車に乗っているような「仮想変速」をする「N e-Shift」機能で8速自動変速のような変速時のトルク変動や、「N Active Sound+」による走行サウンドを連動することができる。

 これらはけっして「ギミック」というネガティブな印象はなく、「扱いやすさ」「ワクワク感」というポジティブな印象を持つことができた。