女子中高一貫校の新校長

 女子校は、埼玉の上位校である淑徳与野(さいたま市中央区)から見ていこう。24年入試で女子の理系志向に向き合う「医進コース」を設けて受験生の獲得に成功した。浄土宗の学校であり、学校法人大乗淑徳学園で唯一の女子校でもある。理事も兼ねていた里見裕輔前校長から引き継ぐ新校長の黒田貴氏は国語科教員で、副校長からの昇格となる。 

 東京では、準難関校の鴎友学園女子(世田谷区)も理系志望者が在校生の半分近くに達している模様だが、新校長の柏いずみ氏は教頭からの昇格となった。同校の名誉校長の吉野明氏は芝国際の新校長に就いている。

 山種証券の創業者が創立した富士見(練馬区)も東京理科大学と高大連携協定を結ぶなど理系への進学に力を入れている。新校長の善本久子氏は公立中高一貫校である都立白鴎の統括校長を務めて定年となった後、鎌倉女子大学教授となり、中教審委員も務め、再び中高一貫校の現場に戻ってきた。

 ちなみに、鎌倉女子大は付属の中学部と高等部が26年度から共学化する。新しい校名は「鎌倉国際文理」で、神奈川にも“国際”を冠したリニューアル校が誕生する。

 大妻中野(中野区)では、国際化を担ってきた教頭の諸橋隆男氏が昇格した。帰国生も多い「グローバルリーダーズコース」の卒業生が同校の進学実績をリードする。

 湾岸系ブームに乗ったのか、最近人気上昇中の中村(江東区)は校長を外部から招聘(へい)することが続く。前校長の藤村富士男氏は専修大学附属高校(杉並区)の校長から4年前に転じたが、新校長の遠藤行巳氏も千葉商科大学付属高校(市川市)の校長からの就任となる。

 最近、都営唯一の路面電車である荒川線沿線の中高一貫校の人気が上向きだが、北豊島(荒川区)もその一校だろう。入試広報などを務めた安達剛氏が18代目の校長となった。

 日本大学豊山女子(板橋区)の黛俊行氏は中学教頭から就任した。新校舎が系列の男子校である京華と共学校の京華商業と同じ敷地に竣工した京華女子(文京区)は、教頭の山中秀樹氏が昇格した。前校長の塩谷耕氏は学校法人京華学園の理事となった。

 白梅学園清修(小平市)の中高一貫部の新校長である南和男氏は、公立中高一貫校である都立武蔵の校長から転じた。ちなみに高校校長の武内彰氏も都立日比谷高校の元校長だ。

 ここからはカトリック校が続く。晃華学園(調布市)では、修道女でもある前校長の西山恵子氏の後任は大島正克氏となった。元亜細亜大学学長の会計学者で、学校法人晃華学園の監事や事務局長などを務めてからの就任となった。1948年生まれであり、今年の新校長の中では最高齢の76歳となる。

 神奈川では、捜真女学校(横浜市神奈川区)は中学部教頭から島名恭子氏が新校長に。湘南白百合学園(藤沢市)の新校長には数学科教員の岩瀬有子氏が就いた。前任の林和氏は同校で初めての修道女ではない校長として入試改革を進め、志願者増を実現している。ちなみに北海道にある姉妹校の函館白百合学園では光井稚香子氏が新校長に就任した。