ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ピカソの秘密
【第15回】 2013年4月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

組織でも不可欠な「個人として生きる能力」
鍛えるには異文化に触れ「常識」を疑おう
ゲスト:坂之上洋子さん(ブランド経営戦略ストラテジスト)[後編]

1
nextpage

『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』著者の山口揚平さんとブランド経営戦略ストラテジストの坂之上洋子さんとの対談の後編です。前編に引き続き、お金と愛のバランスについての話題から語り合います。

愛の軸が強い人は愛だけ、お金の軸が強い人はお金しか叫ばない

山口揚平(以下、山口) たとえば、コンビニで買ってきたペットボトルのお茶と、誰かが心を込めて淹れてくれたお茶は、持っている文脈がそれぞれ違うはずです。ペットボトルは文脈のない「物質」であり、誰かが淹れてくれたお茶は文脈がある「生命的」なものです。しかし、両方とも100円という数字で表してしまうと、文脈は消え去って匿名化し、100円という数字で完全に客観化された存在になります。

 この「客観化」という側面がお金の便利なところですが、文脈のない「物質」は活用しやすい“メディア(コミュニケーション・ツール)”であっても、先進国はすでに、そうした「モノ」であふれ返っています。一方で、目に見えず感じるしかない「生命的」なものは愛の軸に近く、そういうものをつなげたり、交換するメディアがないんですね。だからこそ、僕は文脈を遮断せず匿名化もしないで互いに価値を交換し得る「非貨幣経済」を進めるしかないと思っています。現代はお金が増えすぎているので、なおさら頭で考える軸に寄ってしまうんでしょうね。

坂之上洋子(以下、坂之上) お話を聞いていて頭に浮かんだのは『サバイビング・プログレス―進歩の罠』というドキュメンタリー映画です。山口さんはご覧になりましたか。

山口 いえ、知らないです。

坂之上 じゃあ、絶対に見てください。山口さんに刺さる話だと思います。映画では、南米アマゾンの土地をニューヨークの投資家が買い取り、開発してマネーに換えてしまおうとします。開発を進めれば環境が破壊される一方、環境を重視してそのプロジェクトを止めたら、現場で働く人の雇用が失われてしまうというジレンマに満ちたような例もあって……。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

 


ピカソの秘密

将来の「正解」が見通せない今、誰もが、ぼんやりとした不安を抱えています。その大きな原因は「変化が重なり、先が読めないこと」。なかでも、グローバル化やIT化によって最も変化したもののひとつが、金融、「お金」のあり方です。本連載では、「お金」の変化を整理し、これからの世の中で幸せをつかみ、経済的に生き抜いていくための考え方や行動様式について、先達?ピカソにも倣いながら紹介していきます。

「ピカソの秘密」

⇒バックナンバー一覧