信金中央金庫 理事長 柴田弘之氏
信用金庫とともに地域経済社会の成長を牽引
1950年、全国の信用金庫が出資して設立された信金中央金庫(以下、信金中金)。全国254の信用金庫のハブとなり、多様化・複雑化する地域の課題解決に取り組む業界の「中央金融機関」だ。
信用金庫は、相互扶助を基本理念とした中小企業や地域住民のための協同組織金融機関。人口や中小企業数の減少、自然災害の激化といったさまざまな課題に直面する地域のため、資金供給のみならず、コンサルティングをはじめとする多様なサービスを提供している。
信金中金は、そんな信用金庫のサービスが円滑かつ効果的に提供されるように、全面的なバックアップを行っているのだ。
各地の信用金庫との“二人三脚”で地域経済社会の持続可能な発展に貢献する、実は私たちの生活にかかわる金融機関だといえる。
成長投資枠で売買できる東証上場の優先出資
信金中金は、自ら投資や貸出などの金融業務を行っており、その資金量は2025年9月末時点で32兆円と国内金融機関でトップクラス。投資する有価証券や貸出先は信用力が高く、そのため国内外の格付機関から高い評価を得ている。
また、広く出資を募るために発行しているのが「優先出資」。東京証券取引所に上場しており、一般の株式と同様、個人投資家も法人も証券会社を通じて売買できる。優先出資証券の所有者(以下、優先出資者)は、株式会社の株主総会にあたる普通出資者総会での議決権はないが、普通出資者よりも優先的に配当を受ける権利がある。1口から購入でき、1口当たりの配当金額は過去10年間6500円と安定的。さらに、優待は今期拡充され、年2回受け取れる(下記参照)。NISAの成長投資枠の対象であることも注目ポイントだ。
3つの戦略を掲げる中期経営計画が始動!
信金中金は、25年に新たな中期経営計画『SCBストラテジー2025』を始動した。2030年までに目指す姿(下記参照)を実現するため、「信用金庫の経営基盤の強化」「地域の持続可能性の向上」「信金中金の成長」の3つのストラテジー(戦略)で変革を推し進めていく計画だ。
このうち「信用金庫の経営基盤の強化」は、文字どおり、全国の信用金庫が中小企業や地域住民により良いサービスを提供できるように、強固で盤石な経営基盤の構築を支援するもの。具体的には、各信用金庫が顧客との対面サービスやコンサルティングに専念できるように、人事、総務など管理業務の共同化・集約化やデジタル技術の活用により、信用金庫の業務効率化と生産性向上を実現していく。
一方で、「信金中金の成長」もストラテジーに掲げ、自らも変革に挑んでいく考えだ。これまで以上に収益基盤や財務基盤を強化・拡充し、業務を担う専門人財の育成強化にも取り組んでいく。
未来を見据え挑戦し続ける信金中金。配当や優待を受け取りながら、中長期スタンスで投資するのも一考だろう。
優先出資者への還元
優待制度拡充で、年2回“おいしい”!
優先出資者は、配当だけでなく優待品を受け取れる。25年9月末の権利確定分は、1口以上3口未満の出資者には、オリジナルグッズとして熊本県阿蘇の伏流水で仕込んだ「まぼろしの味噌」(1000円相当)が。3口以上10口未満には3000円相当、10口以上には6000円相当のグルメカタログが進呈された。そして、今期から優待制度が拡充(下表参照)。3月末時点で1年以上継続保有する優先出資者は、保有口数に応じてQUOカードがもらえる。つまり年2回、優待商品がゲットできることに。しかも初回(26年3月末時点の優先出資者)に限り、保有期間にかかわらず対象になる。
Top Interview
地域の『ものがたり』を明日へとつなぐ
地域の発展を応援し、大切な『ものがたり』を明日へとつないでいきたいと語る柴田弘之理事長。
信金中央金庫は、「信用金庫とともに“1つの金融グループ”として地域経済社会の成長を牽引する」ことを2030年までに目指す姿としています。
全国各地の信用金庫は、地域とともに歴史を歩み、課題解決を通じて、地域固有のユニークで魅力的な価値を数多く創出してきました。
私たち信金中央金庫は、そんな信用金庫の「中央金融機関」として、これからもさまざまな地域の課題解決や価値創出に貢献していきたいと考えています。地域の発展を応援し、各地で育まれてきた大切な『ものがたり』を明日へとつないでいきたい。2030年までに目指す姿には、そんな私たちの思いが込められています。
その第一歩として、25年から新たな中期経営計画がスタートしました。これからの私たちの挑戦に、どうぞご期待ください。

