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お別れの作法
【第2回】 2013年4月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
矢作直樹

逝く人にも、送る人にも、
なすべき大事なことがある

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死は、誰もがいつかは迎えるもの。
30年以上、医療の現場に身を置いて大勢の人の死の場面に立ち会い、
ときに医学常識を超える事例を目にしてきた現役医師による、
人の「死」の真実について説いた連載の第2回。

あなたが自分自身や身近な人の死を意識しだした際に
なすべき大事なことの中から、その一部をご紹介します。

やりたいことをやり、感謝も忘れずに

 死は、誰もがいつかは迎えるものです。また、それが自分の身にいつやってくるか、わかる人はいません。あなたがもし、みずからの死を意識しだしたら、是非、心に留めておいてほしいことがあります。その一部をご紹介します。

 今、やりたいこと、やっておきたいことは何ですか?
 仮にあなたが余命宣告を受けているなら、やりたいことに優先順位をつける作業から始めないといけませんが、ここで私が言いたいのは、たとえ今はそこまで差し迫った状況にない方でも、「やりたいことはできるだけ全部やってしまいましょう」ということです。

 親子や夫婦で温泉に行く、絵を描く、小説を書く、あのレストランに行く、山に登る、船に乗る……など、いろいろあるでしょう。思い出の場所にもう一度行きたい、という方も多いでしょう。
 さらに、その過程で誰かのお世話になったら、その人に、感謝という素晴らしいエネルギーを送ってください。
 感謝を送られた人の魂は輝きを増し、その人が次の誰かに感謝のエネルギーを送るパワーの源となります。これがエネルギーの循環です。私たちの人生は、誰かに感謝し、感謝されることの繰り返しを理想とします。

  また、ひと言だけでもお礼を言っておきたい人には、余裕のあるうちにお礼を伝えましょう。あなたが気になっている人は、あなたのことを気にしている人でもあります。

最期をどう迎えたいか、の意思表明が家族の迷いを消す

 治療法に関する相談は、最期をどう迎えたいか、という希望を伝えるための情報交換でもあります。患者さんも家族も、わからなければ遠慮なく医師に尋ねてください。
 その際に、医師とどうしてもコミュニケーションがとれないと感じたら、セカンド・オピニオン(ほかの医師への相談)という手もあります。
「私はこんなふうに最期を迎えたい」と、自分の言葉で具体的に語っておくことが大切です。

矢作直樹(やはぎ・なおき)
東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および医学部附属病院救急部・集中治療部部長。
1981年、金沢大学医学部卒業。その後、麻酔科を皮切りに救急・集中治療、外科、内科、手術部などを経験。1999年、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授。2001年より現職。
2011年、初めての著書『人は死なない』(バジリコ)が7万部を超えるベストセラーとなり、話題となる。

 

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矢作直樹(やはぎ・なおき)

東京大学名誉教授。医師。1981年、金沢大学医学部卒業。1982年、富山医科薬科大学の助手となり、83年、国立循環器病センターのレジデントとなる。同センターの外科系集中治療科医師、医長を経て、99年より東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授。2001年より東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および医学部附属病院救急部・集中治療部部長となり、2016年3月に任期満了退官。
著書には『人は死なない』(バジリコ)、『おかげさまで生きる』(幻冬舎)、『お別れの作法』『悩まない』(以上、ダイヤモンド社)など多数がある。


お別れの作法

身近な人や自分自身の死を意識した際に、なすべき大事なこととは何か。それについて、医療現場に30年以上身を置き、大勢の人の死の場面に立ち会ってきた東京大学附属病院の医師が教えてくれます。医療現場で、時に魂や「あの世」の存在を示唆するような現象も実体験してきた医師が、死はすべての終わりではないこと=「魂の不滅」を確信したからこそ言える、誰にも意味のない人生などないこと、今を生きることの大切さを説きます。

「お別れの作法」

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