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「これからの世界」で働く君たちへ
【第8回】 2013年5月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
山元賢治

伝説の元アップル・ジャパン社長が教える
「これからの世界」での働き方 7
“交渉は空気で決まらない。どれほどの自己を持つかだ”

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iPodからiPhoneまで、アップル復活の舞台裏を知る「唯一の日本人経営者」が、アップル退社後に初めて語る「これからの世界」での働き方。交渉ベタの日本人が陥りがちなのは、「媚びる」か「押し付ける」か。暗黙の了解も空気も通じない世界で、どのように交渉を有利に運べばいいのか?

交渉は空気で決まらない。どれほどの自己を持つかだ

 世界で仕事をする上で、避けては通れないのが「交渉力」です。日本人は、日本人同士でも交渉下手の人が多いので、外国人との交渉となるとさらに尻込みしてしまう人も少なくないと思います。何となく相手の威圧感に押されて自分の主張もできず、愛想笑いをしながらへいこらしている日本人がいかに多いことか……。

 しかし、ビジネスが人対人である限り、面と向かって意見をぶつけ合ったり、こちらが有利になるような駆け引きをすることは必ず必要になってきます。国や人種の壁を超えてお互いが尊重しあいながらフェアにビジネスをしていくためにも、今のうちから交渉力を磨くようにしましょう。

 私も長い間外資系企業で仕事をし、特に役職が高くなってからは交渉相手が外国人というケースがごく自然でした。連戦連勝というわけにはいきませんでしたが、周りの人からは「山元さんは、相手が外国人でもケンカしている」とか「外国人相手でもグイグイ押し込んで一歩も引かない」などとよく言われ、外国人相手の交渉にはそれなりに自信を持っています。

 私は日本人同士の交渉と外国人相手の交渉にそれほど大きな違いはないと考えていますが、それなりの心得やコツみたいなものはあるように思えます。ちなみに、私は英語もネイティブではありませんし、英語力で押し通したということはありません。

 ですので、英語は必要条件ではありますが、十分条件ではありません。心持ち次第で誰でも実践できることだと思います。わかりやすく外国人との交渉を公式にすると、次のようになります。

(日本人同士の交渉)-(日本人特有の交渉)+(外国人との交渉の最低限の心得)=(世界で戦う交渉力)

 誰が相手であっても交渉の基本は同じですが、相手が外国人の場合に気をつけておきたいのは、「日本人特有の交渉」です。日本人特有の交渉とは、場の空気で表現を曖昧にしたり、お互いがはっきり物を言わずに探り合いをしながら進めていくとか、判断を避けたり、自分の責任を曖昧にしたり、意味もなく時間を延ばして進めていくようなスタイルです。

 日本では、こうした交渉を「暗黙の了解」としてやっているところがありますし、あえてお互いが責任に触れず、遠回しに進めていくことが常だと言えます。しかし、外国人相手の場合は、それだけで無駄に不信感を与えますので、避けるようにしましょう。そして、外国人との交渉において意識しておくべき次ページからの5つの「最低限の心得」を身につけてください。

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山元賢治

1959年生まれ。神戸大学卒業後、日本IBMに入社。日本オラクル、ケイデンスを経て、EMCジャパン副社長。2002年、日本オラクルへ復帰。専務として営業・マーケティング・開発にわたる総勢1600人の責任者となり、BtoBの世界の巨人、ラリー・エリソンと仕事をする。2004年にスティーブ・ジョブズと出会い、アップル・ジャパンの代表取締役社長に就任。iPodビジネスの立ち上げからiPhoneを市場に送り出すまで関わり、アップルの復活に貢献。
現在(株)コミュニカ代表取締役、(株)ヴェロチタの取締役会長を兼任。また、(株)Plan・Do・See、(株)エスキュービズム、(株)リザーブリンク、(株)Gengo、(株)F.A.N、(株)マジックハット、グローバル・ブレイン(株)の顧問を務める。その他、私塾「山元塾」を開き、21世紀の坂本龍馬を生み出すべく、多くの若者へのアドバイスと講演活動を行っている。
著書に『ハイタッチ』『外資で結果を出せる人 出せない人』(共に日本経済新聞出版社)、共著に『世界でたたかう英語』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

 


「これからの世界」で働く君たちへ

ジョブズ、ティム・クック、ラリー・エリソン、マイケル・ラトガースら、ビジネス界の巨人とわたり合い、アップル復活の舞台裏を知る「唯一の日本人経営者」が教える、21世紀を生き抜く40の指針。この連載では、書籍に掲載した40の講義から10個を再編集してご紹介します。

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