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商社を支える“いまどき” ビジネス

“大地のプラスチック”は日本でも普及するか?
売れない「緑の化学品」事業に挑む双日の狙い

【第10回】 2013年5月1日
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「サトウキビからつくった、地球に優しいまな板」(川崎合成樹脂)。植物由来のポリエチレンを約60%使用しており、イエローの他に、ホワイト、オレンジ、ベージュ、ピンク、グリーンの商品がある

 地球温暖化を防止しよう、限りある資源「化石燃料」に頼らないようにしよう――。

 そう叫ばれて久しい昨今。それでも私たちの暮らしは相変わらず、モノに溢れて豊かで便利なまま。そんな暮らしを支えるために、現在も石油などの化石燃料を使って様々な製品が大量に作られ、消費され続けている。このままでは地球が汚され続け、化石燃料などの資源枯渇問題は解決されない。

 そうしたなか注目を集めているのが、トウモロコシやサトウキビといった環境に優しい植物を原料につくられる「バイオプラスチック」だ。近年、大手商社などがこうした植物由来の“バイオマス資源”を原料にしてプラスチックのような化学製品をつくる「グリーンケミカル事業」に続々と参入している。

 グリーンケミカル事業が進めば、原料が植物であるため、化石燃料のように資源の枯渇を心配する必要はなくなる。さらに、石油を原料にしたプラスチックを燃やせば地球を温暖化させるCO2を増やすことになる一方で、CO2を取り込みながら成長した植物を原料にしたバイオプラスチックであれば、それを燃やしても元々大気中にあったCO2が大気中に戻るだけ。地球温暖化を助長することはない。グリーンケミカル事業は環境にやさしい、いいことづくめの事業といっていい。

 ところが、である。実はこの事業に取り組む現場は、当初から想像もつかないほどの苦戦を強いられていた。

同じ品質なのに原価が2倍!?
海外大手と提携も価格が大きなネックに

 「実は……グリーンケミカルって、とっても大変な事業なんです」

 こう語るのは、双日プラネット(株)包装資材第1部担当課長である大八木潤さんだ。双日とその100%子会社で合成樹脂などを取り扱う双日プラネットは、2007年頃から環境にやさしいグリーンケミカル事業への参入を検討しはじめ、様々な調査を経た結果、市場拡大は確実と判断し、参入を決めた。その後、アメリカのバイオケミカルメーカーであるミリアント社(2011年11月)、オランダの大手樹脂加工メーカーであるシンブラ社(2012年11月)と相次いで提携。ミリアント社からは、ポリエステルやウレタン樹脂をバイオ化(植物由来で作る)するために重要なバイオコハク酸のアジア地域(日本、中国、韓国、台湾)での製造販売独占権を取得し、今後は中間財メーカーを相手にビジネスを行う。

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商社を支える“いまどき” ビジネス

世間一般には、「モノやサービスを仲介する仕事」と思われがちな商社だが、足もとでは、従来の価値観に囚われない事業展開を行なっている。有名なのは、世界中で需要が急増している資源・エネルギー分野のビジネスだろう。採掘から、製品化、流通・販売まで、全てのプロセスに投資を行なう各社は、資源高の恩恵を享受して、軒並み収益増に沸いている。しかし、彼らが参入しているビジネスは、こうした重厚長大分野に止まらない。時として、衣食住に関わるコモデティ分野まで深く入り込み、ビジネスの裾野を着々と広げている。この連載では、商社の屋台骨を支える「いまどきビジネス」を詳しく紹介しながら、日本企業が新しいビジネスを生み出すためのヒントを考える。

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