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「ミドリムシ」の魅力を日本中に伝えたい!
伊藤忠が描く食料ビジネスの果てないストーリー

【第5回】 2012年10月11日
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健康によく次世代エネルギーにも使える
あなたは「ミドリムシ」を知っているか?

ミドリムシは植物と同じ葉緑体を体内に持ち、光合成を行なうことによって、59種類もの栄養素をつくり出せる。健康食品をはじめ、様々な食品に加工されて売られている。

 突然だが、あなたは「ミドリムシ」をご存知だろうか。ミドリムシと言っても、アカムシやアオムシとは違い、我々がすぐに想像するような虫ではない。微細藻類に分類され、体長約0.03mm~0.05mmに過ぎない微生物の一種である。

 ミドリムシは、5億年以上前の原始の地球で誕生した。それ以来、人間の生活圏の近くで生き続けている。主な生息場所は、湖沼、池、水たまりなどの淡水域。普段気づくことはないが、実はとても身近な生き物なのだ。

 このミドリムシが今、人の生活を健康で便利にする有力な素材として、注目を浴びている。その効能は主に3つだ。

 第一に、ミドリムシの体内に蓄えた豊富な栄養素による健康増進効果だ。ミドリムシは植物と同じ葉緑体を体内に持っており、光合成を行なうことによって、59種類もの栄養素をつくり出せる。これらは、人間の体内に入ると、生活に必要なほぼ全ての栄養をカバーできるという。

 具体的には、ビタミンC、αカロテンなど14種類のビタミン類、イソロイシン、バリン、必須アミノ酸など18種類のアミノ酸、マンガン、鉄、亜鉛などのミネラル、DHAなどの不飽和脂肪酸といったものだ。

 世間で健康志向が高まるなか、食品、化粧品、飼料などに加工されたミドリムシ製品は、今やインターネットやテレビで着実にファンを増やしている。とりわけ食品については、健康食品やサプリメントをはじめ、飲料、クッキー、ドレッシング、バー、カンパン、塩、コメなど様々な製品に加工されて売られており、消費者は「ミドリムシ」と名前が付くと、「健康によさそう」というイメージを抱くようになった。

 第二に、人の生活を便利にする「次世代エネルギー」としての可能性。最近では、ミドリムシが光合成を行なって蓄える油脂成分を抽出し、バイオ燃料として使う研究も進められている。

 そして第三に、環境浄化能力である。ミドリムシは下水から窒素やリンを取り除く働きをすることに加え、二酸化炭素の固定能力も高い。水質浄化設備に活用したり、光合成で二酸化炭素を固定してつくられるバイオ燃料を飛行機に使うなどすれば、人や街にやさしい環境づくりに一役買う。

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世間一般には、「モノやサービスを仲介する仕事」と思われがちな商社だが、足もとでは、従来の価値観に囚われない事業展開を行なっている。有名なのは、世界中で需要が急増している資源・エネルギー分野のビジネスだろう。採掘から、製品化、流通・販売まで、全てのプロセスに投資を行なう各社は、資源高の恩恵を享受して、軒並み収益増に沸いている。しかし、彼らが参入しているビジネスは、こうした重厚長大分野に止まらない。時として、衣食住に関わるコモデティ分野まで深く入り込み、ビジネスの裾野を着々と広げている。この連載では、商社の屋台骨を支える「いまどきビジネス」を詳しく紹介しながら、日本企業が新しいビジネスを生み出すためのヒントを考える。

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