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ネットで現金を“シェア”する金融会社
「レンディング・クラブ」が来年にも上場か?

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第244回】 2013年5月8日
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 高い金利や手数料に苦しめられていた借り手は、安く借金ができ、貸し手の方は、株価も貯金の金利もさっぱりなここ数年の不況の中で、金を貸すだけで有望な投資にも替えることができるわけだ。

レンディング・クラブには
グーグルをはじめ、そうそうたる企業が投資

 グーグルが同社の投資陣に加わったことは既述したが、それ以外にも同社にはそうそうたる名前の投資企業が名前を連ねている。それに加えて、役員には元財務長官のローレンス・サマーズ、モルガン・スタンレーの元CEOであるジョン・マックらが揃っている。次世代の金融機関として堂々たる構えを見せ始め、銀行も怖れる存在とされる。現在の企業価値は15億5000万ドルという。

 ただし、ここで金を貸すことが確実に儲かる投資かというと、100%の信頼はできない。貸し手たちによると、このサイトの人気が出るにしたがって、Aグレードの借り手を選べる機会は少なくなっており、リスクは高まる傾向にあるようだ。

 また、借り手のほとんどが、クレジットカードでの借金を返済するために、借り換えとしてレンディング・クラブを利用している。サブプライム・ローンとまではいかないものの、すでに負債を抱えた借り手であることは忘れてはならない。

 そうであっても、シェア・エコノミーは、既存の金融機関の地位をも脅かしつつある。レンディング・クラブの成功は、銀行という歴史ある機関が直面している新時代を具現化するものなのだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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