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金・原油・銅下落は固有の要因大
需給均衡で強弱の相場観交錯へ

芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
2013年5月13日
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 もう1カ月ほど前になるが、国際商品市況が急落し、資源需給が急緩和に向かっているとの観測につながった。金、原油、銅とタイプが異なる代表的な商品市況が下落を主導した。

 金はリスク回避的資産や代替通貨とされ、値動きは通常、他の商品に比べると小さい。その金が4月15日に1割程度、1トロイオンス当たり100ドル超の大幅下落をした。

 この背景として、まずキプロスなど財政難の欧州諸国の中央銀行が金を売却するとの思惑が強まっていた、昨年終盤から続く米欧のヘッジファンドによる金ETF(上場投資信託)の売却が進んでいた、という金固有の需給緩和要因に対する不安心理が高まりやすい状況があった。

 他の国に比べて米国の量的緩和策が出口に近づいており、ドル安による市況押し上げが見込みにくい、経済成長の鈍化により所得が伸び悩めば、中国の需要が鈍化する、という多くの商品相場に共通する要因もあったが、固有の要因のほうが影響が大きかった。

 原油は、北米やイラクでの油田開発、自動車の燃費向上などによる需要鈍化、といった固有の要因が上値を抑え、今年2月以降は、市況が軟化していた。

 銅は、単一の商品としての存在感は金や原油に及ばないが、幅広い産業分野に利用される工業原材料の代表であり、景気動向に敏感な先行指標である。銅も遅れていた鉱山開発がようやく進展して、長年続いていた需要超過・供給不足が解消しそうなタイミングだという固有の状況があった。このため、漠然とした不安心理によって下落しやすい状況にあった。

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