米国でグーグルの「クロームブック」が<br />しぶとく生き残っている理由グーグル謹製のクロームブック「Chromebook Pixel」は、高解像度のタッチスクリーンを装備した高性能モデルだ(googleの米国Webサイトより)

 グーグルのブラウザー「クローム(Chrome)」をベースにしたラップトップ・コンピュータ「クロームブック(Chromebook)」が、なぜかしぶとく生き残っている。

「生き残っている」と言っても、もともと大きな注目を集めたこともない。したがって、そのうちに下火になるはずの製品とも思われたのだが、ここ最近になって、数々のメーカーがクロームブックに力を入れるようになっているのだ。

 クロームブックは、いわゆるネットコンピュータの一種だ。インターネットに常時接続していることを前提としたコンピュータで、すべてのことはブラウザを通じて行う。ドキュメント作成はグーグルドキュメント、メールもGメール、アドレス帳もカレンダーもグーグルで、他に使いたいアプリケーションがあれば、すべてクラウドベースのサービスを使うというわけだ。

ネットブックの二の舞かと思いきや、
主要PCメーカーがこぞって参入

 数年前、「ネットブック」が盛んに売り出されていたが、これも基本的にはクロームブックと同じくインターネット接続を前提としたものだった。ネットブックは未来型のコンピュータともされて、ずい分以前から発売が期待されていた。ところが、いったんお目見えすると、破格の値段にもかかわらずそれほど売れない。そして今や風前の灯火だ。

 やはりすべてのことをクラウドで、というのは少々無理があったに違いないと関係者は感じていたから、クロームブックもいずれ同じ運命をたどるものと考えられてきたのである。

 ところが、現在クロームブックは、ご本家のグーグル製のものをはじめとして、エイサー製、サムスン製があり、最近になってHPが加わった。レノボも教育市場向けにクロームブックを発売している。すでに、12インチ、14インチなどスクリーンサイズもいろいろあり、タッチスクリーン型まである。各社は、今年後半にさらに新しいモデルも出す予定だ。エイスースも陣営に加わるらしい。