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アップルも“小さなiPad”発売に追い込まれる?
グーグル「ネクサス7」が変えるタブレットの未来

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第204回】 2012年7月12日
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 グーグルが先だっての年次開発者会議「Google I/O 2012」で、自社ブランドのタブレット「Nexus(ネクサス)7」を発表した。これは、ただ新しいタブレットが出たということを越えて、これこそ「タブレットの決定版」ではないかという声も聞かれるほど、評判がいい。

 まず、ざっとおさらいすると、ネクサス7はスクリーンサイズが7型。サイズは198.5×120×10.45ミリ。重さ340グラム。アンドロイドの最新OS、アンドロイド4.1(ジェリービーンズ)に対応。Wi-Fiとブルートゥースに対応し、マイクロUSBスロットがあり、前面カメラ、GPS機能がついている。値段は、8GB版が199ドル、 16GB版が249ドルだ。クアッドコア・プロセッサーを搭載して、ゲームにもビデオにもスムーズに対応する。

 決定版と言われているのは、その使いやすさと価格の手頃さのためである。使いやすさということで言えば、グーグルが売り出しているクラウドのエンターテインメント・コンテンツ「グーグル・プレイ」にワンタッチでアクセス可能。音楽も本も雑誌も動画も、もちろんアプリも楽しめる。

 そして、価格の199ドルはかなり破格だ。スクリーンサイズが大きいとはいえ、人気のアップルのiPadは499ドル。ほぼ2分の1に押し下げた値段である。アマゾンのタブレット、キンドル・ファイアーも199ドルだが、カメラはなくGPSもない。そして重量がやや重くて、厚みも大きい。

 それだけではない。実はネクサス7は、大袈裟に言えば、タブレット競争の流れをがらりと変えてしまう可能性もある。人々が何をタブレットに求めるのかを、これで決定づけてしまいそうだからだ。

「タブレット」の役割を変える?
iPadとネクサス7の決定的な違い

 現在、タブレットには、iPadのようにいわばモバイル・コンピュータのような存在で、メモを取ったり仕事をしたり、ちょっとしたお絵描きをしたりといったデスクトップ的な機能もこなせるものと、アマゾンがキンドル・ファイアーで打ち出したような、「クラウド上のコンテンツにアクセスすること」に特化させたタブロイドとの2種類がある。ネクサス7は、明らかに後者の新型機だ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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