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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

マネー変調と株価暴落は「炭鉱のカナリア」か
――熊野英生・第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第99回】 2013年6月5日
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 日経平均株価の大激震が5月23日に始まって、まだその行方を見定められない。23日の下落幅は▲1134円、30日の下落幅は▲737円、6月3日▲512円と続き、わずか11日間で累計▲2300円もの大幅な下げを記録した。

 当初の段階では、株価は、①行き過ぎた株価上昇の反動、②海外株価は崩れておらず、日本株特有の調整、③日本のファンダメンタルズは堅調、という3点の理由から、「それほど悲観的に見る必要はない」という理解が主流だった。

 しかし、ここにきて日経平均株価の下落以外にも、株価下落の動きはアジア、欧州へと広がっている(図表1参照)。時間が経過するほどに、少しずつ事態はもっと深刻なのではないかという認識に変わってきているのが実情だ。

 以下では、今回の相場変動が、日本株特有のものではなく、もっと広範囲で起こっている現象であることを確認してみていきたい。

1ヵ月前の金価格暴落

 日経平均株価の大暴落の手前で、マネーの変調を知らせる変化が起こっている。NY金相場が4月15・16日の2日間で▲13%も急落したショックである(図表2参照)。このときは、金価格の下落は「炭鉱のカナリア」と言われた。

 この例えは、炭鉱のガス爆発の予兆を調べるためにカナリアを連れて入ることになぞらえている。金市場は規模が小さく、投機マネーが流入するとバブルが起こりやすい一方、新興国に変調が起こった場合は、投機マネーの流出によって相場の乱高下を起こしやすい。

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熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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