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アフリカ、経済成長の光と影

持続的な発展を目指すには人々の健康が不可欠
日本はアフリカの保健・医療問題に貢献できる
――黒川 清・日本医療政策機構代表理事インタビュー

【第2回】 2013年6月6日
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アフリカの経済成長については、確かに中長期的に見ても有望であることは間違いない。しかし、貧困は今でも残っているし、それは健康問題に起因することが多い
Photo by Masato Kato

地球規模の保健、健康・医療問題は、グローバルヘルスと呼ばれる。このグローバルヘルスについて、問題解決に向けた政策提言に取り組むのが日本医療政策機構だ。代表理事である黒川清氏は、アフリカ経済・社会の持続的な発展のカギはHIV/AIDSと結核、マラリアの3大感染症をはじめとした保健、健康・医療問題の解決にあると主張している。なぜ、グローバルヘルスがアフリカ経済成長のカギとなるのだろうか。その背景について話をうかがった。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

人々が健康に暮らせる社会は
経済発展の可能性も広がる

――アフリカにおける経済成長に注目が集まっているが、黒川さんはアフリカの開発と持続可能な経済成長を考えるときにグローバルヘルスの重要性について一貫して主張している。なぜ、グローバルヘルスなのか。

 グローバルヘルスは国際保健などと訳されるが、私は「健康と開発、ヘルス&ディベロップメント」という風に表現したほうが適切だと思っている。

 開発途上国で国や社会が健全な発展を目指そうとしたとき、そこに住んでいる人たちが健康でないとだめでしょう。例えば、両親と子どもが4人いる家庭で、そのなかの子どもが一人でも病気だったとする。しかも、ワクチンを打てずに、小児麻痺になってしまったとする。開発途上国の場合、政府による社会的な補償や支援体制が不十分な場合が多いから、そういう家庭はどうしても経済的に困窮してしまうことになる。

 その家庭の兄弟たちは、学校に通うのを諦めて働かなければならず、教育の機会を得られないかもしれない。それ以外にも、さまざまな成長の機会を逸してしまうだろう。

 地域全体で、国家全体で、家庭がそのような問題を抱えていたらどうなるだろうか。コミュニティ全体が経済的に困窮した地域になる可能性だってある。

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アフリカ、経済成長の光と影

いま、アフリカ大陸に世界の経済人たちの熱い視線が注がれている。本格的な経済成長へ向けて、政府間では数千億円規模の開発プロジェクトが次々と決定。企業もアフリカの市場として可能性に注目し、本格的に進出へ動き始めた。それはまるでアフリカ投資に関して遥か先を走る中国政府の動きに引っ張られているかのようで、前のめりな姿勢が目につく。しかし、冷静にアフリカ市場を見ていくと、いまだに貧困問題や感染症問題が未解決のまま残されており、市場の成長を阻害する要因となっているようだ。本連載ではアフリカ経済の成長性という光の部分と、未解決のまま残された社会問題という影の部分を取り上げる。

「アフリカ、経済成長の光と影」

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