「困窮者自立支援法案」の内容に
問題はないか?

 誰に、誰が、何をすることが、この法案の目的だろうか? 第一条(目的)、第二条と第三条(定義)によれば、

生活保護法改正案の問題点と、これからの取組みについて語る、弁護士の宇都宮健児氏(反貧困ネットワーク)

・誰に(対象者)
生活困窮者(現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなる可能性の高い人々=要保護世帯・準要保護世帯の人々)

・誰が(実施主体)
国、都道府県、市区町村、福祉事務所、業務委託を受けた事業者(主に都道府県)

・何を
生活困窮者自立相談支援事業
生活困窮者住居確保給付金の給付
その他の生活困窮者に対する自立の支援に関する措置

 となっている。この「誰が」にも問題が含まれているのだが、それはさておき、「何を」の具体的内容を見てみよう。

・生活困窮者自立相談支援事業(必須)
「就労の支援その他の自立に関する問題について、相談に応じ、必要な情報の提供と助言を行う事業」「認定生活困窮者就労訓練事業のあっせんを行う事業(*)」「厚生労働省令で定められる自立促進が行われるよう援助する事業」が含まれている。

・生活困窮者住居確保給付金の給付(必須)
離職などの理由(詳細は厚生労働省令で定められる)によって住居を失う可能性が高い生活困窮者に対し、住居確保を目的とした給付金(*)を給付する。

・その他の事業(任意)
生活困窮者に対する、就労準備支援(教育・訓練)・一時生活支援(シェルター提供)・家計相談支援(資金貸付等)・子どもの学習援助・その他自立の促進を図るために必要な事業

(*)で示した内容については、3月11日に開催された厚生労働省の「社会・援護局関連主管課長会議」資料に詳細が示されている。

「認定生活困窮者就労訓練事業」とは、就労・職業訓練の場を提供する事業である。主に、最低賃金に満たない賃金で、とにもかくにも就労機会を提供する「中間的就労」が想定されている。厚労省が公開している資料の数々を読むと、この「中間的就労」の導入に非常な熱意が感じられる。

「生活困窮者住居確保給付金」は、生活保護制度の住居扶助と同等の住居費を支給するものである。