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「引きこもり」するオトナたち

不正受給問題であたかも犯罪者扱い!?
生活保護受給者が脅える凄惨な仕打ちと悲惨な日常

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第110回】

 大震災を機に、ちっぽけな見栄とか私利私欲といったものよりも、命や安全といったものを大切にしていかなければいけないと、みんなで気づいたはずだった。

 しかし、それがいつのまにか、原発にしても、今回の生活保護騒動にしても、“巻き戻す力”が働いているように感じられる。

 「生活保護受給者が外へ食事に行った」「うちの子はゲームを買っていないのに、あそこの子は買った」など、ある役所では、そんな通報を奨励し、適正かどうかの確認に行っていたという。

 もちろん、生活保護の不正受給者が、一部に存在しているのも事実。しかし、役所は、明らかに受給者が不正受給かどうか、暴力団が関係しているかどうかなど、見分けがつくはずである。

 本来、セーフティネットは、命を守るためにつくられた制度のはずなのに、いつから「あいつは、けしからん」と、生活保護受給者や家族の生活のちょっとした“楽しみ”まで妬んで、告げ口を奨励するような世の中に逆戻りを始めたのだろう。

「迷惑をかけたくないから…」
受給を躊躇する“真面目な人たち”

 一連の騒動を見て、本来、家庭の事情などから受給しなければ生活できないのに、他人に迷惑をかけたくないと気遣う真面目な気の弱い人たちほど躊躇してしまっている。これは「引きこもり」状態の人はもちろん、いまは会社に勤めているサラリーマンにとっても他人事ではない。

 「まるで魔女狩りですよ…」

 こう脅えるのは、40歳代の当事者のAさん。人気お笑いタレントの河本準一さんの母親が生活保護を受給していたとして『女性セブン』が報じたのを皮切りに、駅の売店で『夕刊フジ』が「“生活保護”モラル崩壊!若者が不正受給でグーダラ生活」という見出しを掲げ、受給者の現状を無視した記事を掲載。テレビでは、ワイドショーなどの番組が、連日のように偏見や誤解を煽るような生活保護受給者に対するバッシングを続けていた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

1962年生まれ。大学卒業後、通信社の勤務を経て、フリーに。雑誌やネットメディアなどで、主に「心」や「街」をテーマに執筆。1997年から日本の「ひきこもり」現象を追いかけ始める。東日本大震災後は、被災地に入り、震災と「ひきこもり」の関係を調査。著書は、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)、『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)、『ふたたび、ここから~東日本大震災、石巻の人たちの50日間~』(ポプラ社)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)などがある。最新刊は『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)。池上正樹 個人コラム『僕の細道』はこちら

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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