ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
岸博幸のクリエイティブ国富論

雑誌休刊ラッシュが示すマスメディア生死の分かれ道

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第6回】 2008年9月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 最近は雑誌休刊のニュースが多いと思いませんか? 

 9月に入ってから、月刊現代、ロードショーといった伝統ある雑誌や、幾つかのファッション誌の休刊が発表されました。加えて、今年になってから有名な雑誌だけでも、広告評論、主婦の友、週刊ヤングサンデー、PLAYBOY日本版などが休刊を決定しました。

テレビ局と新聞社の収益も急速に悪化
「デジタル×インターネット」の猛威

 本連載の第3回では音楽産業を例に、デジタルとインターネットがクリエイティブ産業に及ぼす影響の大きさを説明しました。しかし、これらの雑誌休刊のニュースから明らかなように、デジタルとインターネットは、音楽などのコンテンツに限らず、マスメディアにも大きな影響を及ぼしているのです。

 実際にデータを見てみますと、書籍は1996年が、雑誌は1997年が売上のピークで、それ以降今日に至るまで減少傾向を辿っています。その結果、例えば2007年の雑誌の売上は、ピーク時の75%程度にまで減少しました。10年で市場が4分の3にまで縮んでしまったのです。

 ちなみに、音楽CDの売上のピークは1998年でした。1996年から1998年というと、インターネットや携帯電話が急速に普及を始めた頃です。即ち、インターネットや携帯の普及とコンテンツやマスメディアの市場縮小はほぼ同時期に始まっており、何らかの因果関係があると考えるべきです。

 そして、コンテンツやマスメディアの市場規模縮小の要因としては、違法コピー/ダウンロードの問題も大きいのですが、それに加えて、1)ユーザの動向の変化(情報や知識の習得方法の変化、余暇の過ごし方の変化)2)ユーザの変化を踏まえた広告主の行動パターンの変化の二つがあると考えるべきではないでしょうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


岸博幸のクリエイティブ国富論

メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

「岸博幸のクリエイティブ国富論」

⇒バックナンバー一覧