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田中均の「世界を見る眼」

国際関係の新時代を象徴した米中首脳会談
日本がとるべき外交戦略の「4つの要素」

田中 均 [日本総合研究所国際戦略研究所理事長]
【第21回】 2013年6月19日
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中国が宣伝した「新時代の大国関係」
米国がそのまま認めるわけではない

 6月7、8日に米国カリフォルニア州サニーランドで行われた米中首脳会談は、国際関係の新しい時代を象徴している。オバマ大統領と習近平国家主席がネクタイをとったリラックスした服装で会談に臨む映像が、全世界に配信された。会合や食事に加え、2人だけの散策を含め合計8時間に及ぶという。

 報道を見ながら私は、小泉総理に随行して参加した10年前のテキサス州での日米首脳会談を思い出した。ブッシュ大統領個人が所有するクロフォード牧場での1泊2日の首脳会談。ドリンクに始まる夕食会、首脳会談、プールサイドでの小泉総理とブッシュ大統領の長い会話、昼食会などで合計8時間を超えた。

 古くはマイク・マンスフィールド駐日本大使が「日米関係は世界で最も重要な二国間関係」と述べて30年。その日本の地位が中国にとって代わられたということなのであろうか。

 世界にとっても「最も重要な二国間関係」は米中関係であると映っていることは想像に難くない。中国は世界で第二の経済大国としてGDPで日本を追い越し、15年後には米国も追い越すのではないかという推計もある。米国との関係では貿易総量に占める割合、財務省証券の保有高、ひいては留学生の数に至るまで日本をはるかに追い越し、米国内で中国は最も目立つ存在となっている。

 GDPの急速な拡大は、軍事能力の急速な拡大に繋がっている。首脳会談を迎えるにあたって中国が喧伝したのは、「新時代の大国関係」という概念である。すなわち、従来は既存の大国と新興大国は権益をむさぼりあうゼロサムゲームで対立し、最終的には戦争という決着を迎える。

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田中 均 [日本総合研究所国際戦略研究所理事長]

1947年生まれ。京都府出身。京都大学法学部卒業。株式会社日本総合研究所国際戦略研究所理事長、公益財団法人日本国際交流センターシニアフェロー、東京大学公共政策大学院客員教授。1969年外務省入省。北米局北米第一課首席事務官、北米局北米第二課長、アジア局北東アジア課長、北米局審議官、経済局長、アジア大洋州局長、外務審議官(政策担当)などを歴任。小泉政権では2002年に首相訪朝を実現させる。外交・安全保障、政治、経済に広く精通し、政策通の論客として知られる。

 


田中均の「世界を見る眼」

西側先進国の衰退や新興国の台頭など、従来とは異なるフェーズに入った世界情勢。とりわけ中国が発言力を増すアジアにおいて、日本は新たな外交・安全保障の枠組み作りを迫られている。自民党政権で、長らく北米やアジア・太平洋地域との外交に携わり、「外務省きっての政策通」として知られた田中 均・日本総研国際戦略研究所理事長が、来るべき国際社会のあり方と日本が進むべき道について提言する。

「田中均の「世界を見る眼」」

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