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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

「世界過剰ババ抜きゲーム」の
ジョーカーは主要新興国に
バランスシート健全性でいまや日米はトップへ
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第101回】 2013年6月26日
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世界大恐慌再来を救った主要新興国

 2007年以降のグローバルな環境を振り返れば、大恐慌以来、最大規模のバランスシート調整を迎えた欧米では、2007年のサブプライム問題、翌年のリーマンショックと金融面の危機が生じた。

 すでに1990年代からバランスシート調整が続く日本も含め、先進国として世界をリードした米欧日の3局が同時に大幅なバランスシート調整を迎えることは戦後初であり、1930年代以来の大恐慌不安も生じた。

 実際に、金融政策上、日米欧はゼロ金利政策に近い水準まで金利引き下げを行い、3局同時に民間セクターが資金余剰に転じる戦後初の状況の中、長期金利は各地域で史上最低金利水準まで低下した。

 下の図表1はグローバルな景気先行指標であるが、日米欧が連動して調整が生じた。しかも、2007年以降、2012年まで6年にわたる調整期間とその深度は、戦後最も深刻なものと言っていい。

 ただし、その深刻さは1930年代の大恐慌と較べれば明らかに軽微で、その背景には日米欧の世界に占める割合の低下があった。すなわち、新興国の台頭が世界大恐慌を救った。

 同時に、そこで中国を中心とした新興国は、その見返りに今や過大な負担を背負ってしまった可能性もある。図表1では、中国が2007年以降、なかでも2008年以降、日米欧の低下が続くなか「4兆元対策」で大幅に先行指標の水準を伸ばし、日米欧のサイクルとは異なる対応で世界経済を支えたアンカーになった。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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