格安航空会社(LCC)の一つ、ジェットスター・ジャパンに、増資問題が浮上している。就航から1年が経過したが赤字が止まらず、資本増強が必至の状況で、追加負担に株主は頭を痛めている。

就航1周年を迎えたジェットスター・ジャパン。1円セールなど話題に事欠かないが、その裏で、新たな資金調達の懸念が浮上している
Photo by Toshiaki Usami

 格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが7月3日、就航1周年を迎えた。誕生から1年で搭乗者数の累計は160万人を突破した。同じく昨年に誕生したLCCのピーチ・アビエーション、エアアジア・ジャパンを上回るハイペースである。

 翌7月4日には、ローソンとの販売提携を発表。玉塚元一・ローソンCOOと共に、記者会見場に現れた鈴木みゆき・ジェットスター・ジャパン社長は、「インターネットでの販売だけではクレジット決済が中心になってしまう。コンビニエンスストアとの提携により現金決済が可能になった」と、販路拡大に自信を見せた。

 だが、就航1周年という晴れ舞台の裏側で、経営実態は火の車だ。現在、2度の増資を経て120億円になった資本金は、黒字化を見込む就航3年目までの運転資金という位置づけだったが、想定以上に赤字が膨らみ、早くも食いつぶしつつある。

 そこでささやかれているのが、増資話である。

 ところが、「もし今、追加出資の相談が来てもすべての株主が応じるとは限らない」とある関係者は言い切る。