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China Report 中国は今

高価な割に味は中国米と互角?
日本のブランド米が中国市場で大苦戦

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第3回】 2008年7月10日
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 日本産のコメ、その第2便が昨年12月末と08年1月下旬に中国に輸出された。07年7月に送り込まれた第1便24トン(新潟産コシヒカリ、宮城産ひとめぼれ)が、富裕層を中心に「パーッと売れた」という手ごたえから、上海・天津の港に荷揚げされた第2便(合計100トン)は北京、上海のみならず、中国13の地方都市にばら撒かれた。だが、半年経った今、日本産米の売れ行きが鈍っている。流通ルートと販売価格、その選択は正しかったのか。日本産米の中国展開は早くも黒雲が立ち込めている。

輸入第1便の「売れた」は
ぬか喜びだったのか?

 攻めの農業のシンボルでもある日本産のコメ、昨年、その対中輸出が4年ぶりに解禁となった。07年6月末、第1便が日本の港を出発、中国に陸揚げされると、「1袋(2キロ)198元(約2970円)」という目の玉が飛び出るほどの価格をつけて市中に出回った。日本円に換算すれば10キロ1万5000円もするコメだ。コメの味にうるさい日本の主婦が求めても10キロ5000円がせいぜい。ちなみに日本のコメの小売価格、新潟産コシヒカリなら4896円(07年12月、10キロ)、宮城産ひとめぼれなら4100円(同)だ。

 中国のサイトにも「こんな高い米、一体誰が買う?」、「喜んでいるのは日本の農民だけだ」と書き込みが走り、現地在住の日本人主婦も「買えるわけがない」、頼みの外食、すなわち日本料理店もまた「こんなコストのかかるコメ、客に迷惑かけるだけ」・・・・・・と冷ややか。決して「日本米が歓迎されていた」わけではなかった。

 中国で年間消費されるコメは1.3億トン、1人当たり年間およそ100キロを食べる。上海の庶民が選ぶのは1キロ2~3元(1元=約15円)程度のコメ。富裕層が買い求める良質米でも1キロ10元程度だ。が、中国で流通を始めた日本米は1キロ約100元、どう考えたってこれを受け入れることができるのはかなり「特殊」な層だ。

 だが、そんなコメがこともあろうに「パーッ」とはけた。中国のコメ相場の10~50倍に相当するコメを買って行ったのは富裕層といわれ、上海では「初日で500袋も売れたらしい」というウワサが流れた。店舗によっては「かなりの数の予約が一気に入った。けれどもレジに現れたのはどうみても普通のおばさん。富裕層には見えなかった」と率直に語るところもあれば、「売るためにサクラを仕掛けたのでは」という穿った見方も存在した。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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