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インキュベーションの虚と実

第2フェーズに入る日本のインキュベーター
日米比較でみえる課題と可能性

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第32回】 2013年8月5日
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日本のインキュベーターの危機?
インキュベーション活動の休止や縮小

 「このところのインキュベーターのデモデーにはがっかりさせられる」

 これは知り合いのベンチャーキャピタリストが溜め息と一緒に吐いた言葉だ。

 デモデー(demo day)とはスタートアップが自社のビジネスを投資家やインキュベーターにお披露目するプレゼンテーション会だ。スタートアップにとって投資家や、新たな事業パートナーとの出会いのきっかけとなる重要なイベントだ。

 話を聞くと、今年5月のあるインキュベーターのデモデーではたった3社しか登場せず、そのうち2社は既に知られた会社だったという。米国トップのYコンビネーターは一度に約50社、500 Startupsは約30社がプレゼンするのと比べ一桁少ない。そればかりか、日本では活動を休止したインキュベーターまである。

 この話を聞いて、筆者は日本のインキュベーターが第2フェーズに入っているとの認識を強くした。

 振り返ってみれば、2005年から数年で、現在世界から注目されるYコンビネーターやTechStarsなど、従来と比べて劇的に小さな初期投資で、短期間に開発してメドをつけるようなリーン(無駄のない)スタートアップを主に対象とした“次世代型インキュベーター”たちがアメリカで続々と生まれた。その後、世界中でそのフォロワー達が生まれ、日本では、2010年頃からインターネット/ITにフォーカスしたインキュベーターが数社、発足した。

 ところが、今、冒頭のベンチャーキャピタリストの話にあるように日本ではインキュベーション活動を休止あるいは縮小するインキュベーターが出始めた一方、新規参入するインキュベーターも増えている。

 そこで、先行する米国のインキュベーターの例から、第2フェーズに入ろうとしている日本のインキュベーターをレビューし、課題と可能性について整理する。

 インキュベーターが果たすべき役割、スタートアップに提供する価値について、アメリカの事例をもとに整理してみよう。

 まず役割の第一は、メンター・ネットワークをスタートアップに提供することがあげられる。したがって、アメリカの代表的なインキュベーターは、自社のメンター・ネットワークの充実を非常に重視している。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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