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労働市場最前線Ⅱ

インド攻略にはインド人新卒者の採用がカギ
狙いは「地方都市」「セカンドトップ校」

戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]
【第19回】 2013年8月29日
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 多くの企業が世界中から優秀な人材を獲得しようと競争している。そのなかで、インドでは優秀な新卒者を獲得しようと各社がしのぎを削っている。

 インドのトップ大学であるIIT(インド工科大学)の卒業生で、初任給が1000万円以上のオファーを受けてアメリカで就職したインド人がいることが報じられ話題になった。ITや金融、コンサルティングなど、世界中で著名な大企業がインドに注目し、優秀な人材を獲得しようとしている。

 日系企業はインドへの進出が進み、進出歴が長い企業が出始めているが、依然として即戦力重視の中途採用が中心で、なかなか優秀な新卒を採用できない状況もみられる。欧米企業と戦っていく上で、はたしてこのままでいいのだろうか?

 本稿では、インドの新卒者を中心とした人材獲得競争と日系企業の現状について紹介し、日系企業は今後インドとどのように向き合っていけばいいかについて考えていきたい。

規模も大きい
インドの大学事情

 インドの新卒者の就職事情を見る前に、インドのカレッジ(大学)について説明したい。

 インドの教育制度は旧宗主国であるイギリスの制度を基に作られているため、大学にはカレッジ(分校)がいくつか存在し、カレッジごとに学校のカリキュラムや就職活動が実施される(ただし一部の州におけるカレッジでは、カリキュラムなどの統一化を図っている)。

 独立以来インドはエンジニアリング教育に力を入れ、通常、カレッジを卒業するまで3年かかるところを、エンジニアリング学科は4年としている。インドのトップ大学であるIITはアメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)を目指したともいわれ、独立直後の1951年より設置し、今では15の分校がある。

 インドのカレッジには序列があると人々は認識しており、エンジニアリングについては、IITを頂点として、1万校以上のカレッジがインドに存在すると言われている。

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戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]

(とだ あきひと)2008年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了後、リクルート入社。同年4月より現職。大卒求人倍率調査、雇用の現状などを担当。専門は労働経済学。


労働市場最前線Ⅱ

2011年1月からスタートし2012年7月まで続いた『ワークス研究所の労働市場「最前線」』の第2弾。新卒就職、非正規社員、シニア世代の再就業、労働法制……、日本労働市場には多くの課題があり、それは業種や規模の大小を問わず、すべての企業に関係する事だ。本連載ではリクルートワークス研究所の研究員のみならず、リクルートグループ内で「労働」に深く関わる識者からの、最新の労働市場分析や提言をお届けする。

「労働市場最前線Ⅱ」

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