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インキュベーションの虚と実

日本人も、うかうかしてはいられない!
目を輝かせチャレンジするインドの起業家たち
――Geeks on a Planeインドは面白かった!【前編】

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第22回】 2013年3月11日
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第2回で紹介した米国シリコンバレーのスーパーエンジェルでありインキューベータ―の500 Startupsが主宰する「Geeks on a Plane」(GOAP、ギークス飛行機に乗る)で、北米の起業家や投資家など二十数名とともにバンガロール、ムンバイ、デリーとインドの主要三都市を10日で回ってきた。

 10年・20年後の予測をみると、その経済規模の発展可能性にあらためて目を見張るインドだが、スタートアップ熱も始まりつつある。IT関係始め世界のアウトソーシング基地としても大きな役割を果たすようになったインドは、さらなるポテンシャルを秘めている。

 今回・次回と2回にわたり、GOAPインドでの所見と、その示唆について考えてみたい。

巨大な成長市場インド
カオスのなか生まれるスタートアップ

 インドは巨大だ。12億の人口、うち25歳以下が半分の6億人。モバイルは6億人のユーザーが9億台を利用している。インターネットユーザー数は世界3位(1位中国5億3800万人、2位米国2億4500万人、3位インド1億5000万人、4位日本1億100万人、5位ブラジル8800万人)で増加中だ。

 道路を横断するたびに事故に遭わないかとスリル満点、人々が生き残るために必死で戦いながら暮らしている様は印象的だ。500 Startupsのインド在住ベンチャー・パートナーのパンカジ・ジェイン(Pankaj Jain)氏は、「小さな店が立ち並び、サムスンやヒューレット・パッカードなどの看板を掲げているが、個人商店のオーナーは、自分だけを頼りに算盤をはじき交渉して商売をしている。そういったサバイバル・スキルはインドの多くの人々に脈々と受け継がれている」と言う。起業家精神の一面をみる思いだ。

 しかし一方で、インドの文化的土壌は保守的な面もある。ある程度の商売を営んでいれば、それより大きくしようとする人はまれだ。一流の大学を出ても、大多数の人は、大企業に行って安定した不自由ない生活を送るのがよいという志向。家族や親類縁者がそういう選択を求めるという日本と似た状況だが、その度合いは日本より強そうだ。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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